30.ホイール・アライメントに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)キャスタにより、車両の荷重によって車体をもとの水平状態(ホイールを直進状態)に戻そうとする復元力が生まれ直進性が保たれる。
(2)キャンバ・スラストは、キャンバ角が大きくなるに伴って増大する。
(3)フロント・ホイールを横方向から見て、キング・ピンの頂部が、進行方向(前進)に対して後方に傾斜しているものをプラス・キャスタという。
(4)旋回時に車体が傾斜した場合のキャンバ変化は、独立懸架式ではほとんど変化しないが、車軸懸架式では大きく変化する。
解く
(1)キャスタにより、車両の荷重によって車体をもとの水平状態(ホイールを直進状態)に戻そうとする復元力が生まれ直進性が保たれる。
キャスタの役割
キャスタがない場合は、図(1)のようにキング・ピン軸が回転するとホイールは平面上で旋回動作を行うだけで、特にホイールを直進状態に戻そうとする働きは生じない。一方、図(2)のようにキヤスタが付いているキング・ピン軸が回転すると、ホイールが路面に対して傾くため車体を持ち上げようとする力が発生するが、車両の荷重によって車体をもとの水平状態(ホイールを直進状態)に戻そうとする復元力が生まれることにより直進性が保たれる。

(2)キャンバ・スラストは、キャンバ角が大きくなるに伴って増大する。
キャンバがある場合のタイヤの接地部は、図のように変形し、その結果、タイヤは傾きのある内側に転がり込もうとするため矢印の方向に力が発生する。これをキャンバ・スラストといい、キャンバ角が大きくなるに伴って増大する。

(3)フロント・ホイールを横方向から見て、キング・ピンの頂部が、進行方向(前進)に対して後方に傾斜しているものをプラス・キャスタという。
キャスタ
フロント・ホイールを横方向から見ると、キング・ピンは図のように鉛直線に対して前後どちらかに僅かに傾いている。この傾斜をキャスタといい、キング・ピン中心線と鉛直線のなす角度で表す。

キング・ピンの頂部が進行方向に対して後方に傾斜しているものをプラス・キャスタ、これと反対方向に傾斜しているものをマイナス・キャスタといい、一般にはプラス・キャスタのものが多く用いられる。
なお、図のようにキング・ピン中心線の延長線が路面と交差する点をキャスタ点といい、タイヤ接地中心との間の距離をキャスタ・トレールという。
(4)旋回時に車体が傾斜した場合のキャンバ変化は、独立懸架式ではほとんど変化しないが、車軸懸架式では大きく変化する。
旋回時のキャンバ変化とキャンバ・スラスト
旋回時に車体が傾斜した場合のキャンバ変化は、図に示すようにサスペンション形式により異なり、車軸懸架式ではほとんど変化しないが、独立懸架式では大きく変化する。

よって答えは(4)