23.ABSに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)ハイドロリック・ユニット部は、ECUからの駆動信号により各ブレーキの液圧の制御とエンジンの出力制御を行っている。
(2)エンジン始動後の発進時にゆっくりと加速した場合などに、静かな場所では、エンジン・ルームからABSのポンプ・モータの作動音が聞こえる場合があるが、これはABSのイニシャル・チェックの音である。
(3)車輪速センサの車輪速度検出用ロータは、各ドライブ・シャフトなどに取り付けられており、車輪と同じ速度で回転している。
(4)ECUは、自己診断機能により、電子制御機構に起因する故障を検出すると、ウォーニング・ランプを点灯させるとともにダイアグノーシス・コードを記憶する。
解く
(1)ハイドロリック・ユニット部は、ECUからの駆動信号により各ブレーキの液圧の制御とエンジンの出力制御を行っている。
アクチュエータ
ABSのアクチュエータは、ハイドロリック・ユニット、モータ・リレー、バルプ・リレー及びABSウォーニング・ランプで構成されている。
ハイドロリック・ユニットは、図(1)のようにポンプ・モータ、ポンプ、ソレノイド・バルブ、リザーバなどが一体となっており、このほか外部にモータ・リレー、バルブ・リレーで構成されるリレー・ボックスが取り付けられている。
なお、近年では、図(2)のようにモータ・リレー及びバルブ・リレーを内蔵したECUと一体になったハイドロリック・ユニットが多く用いられている。

ハイドロリック・ユニットは、ECUからの制御信号により各ブレーキの液圧を制御するものである。また、ABSウォーニング・ランプは、ABSに故障が発生したときに、コンビネーション・メータ内のランプを点灯させて運転者に知らせる装置である。
なお、ABSウォーニング・ランプは、イグニション(キー)・スイッチをONにすると点灯し、その後消灯するが、これはランプの異常の有無と回路が正常であるかを確認するためのものである。
(2)エンジン始動後の発進時にゆっくりと加速した場合などに、静かな場所では、エンジン・ルームからABSのポンプ・モータの作動音が聞こえる場合があるが、これはABSのイニシャル・チェックの音である。
ABS装着車特有の現象
・急ブレーキを掛けたり、滑りやすい路面でブレーキを掛けたとき、ABSが作動するとモータとバルブの作動音が聞こえ、ブレーキ・ペダルに脈動を感じたりステアリング・ホイールに振動を感じることがあるが、これはABSが作動していることを示す特徴的な現象である。
・エンジン始動後、発進時にゆっくりと加速した場合などに、静かな場所では、エンジン・ルームからモータの作動音が聞こえる場合があるが、これはABSのイニシャル・チェックの音である。
・バッテリ上がりを起こした際などに、プースタ・ケープルを使用してエンジンを始動したあとに一時的にウォーニング・ランプが点灯する場合があるが、これはバッテリの電圧不足によるもので、ABSの異常ではない。
(3)車輪速センサの車輪速度検出用ロータは、各ドライブ・シャフトなどに取り付けられており、車輪と同じ速度で回転している。
車輪速センサは車輪速をピックアップ・コイルにより検出する方式と半導体により検出する方式とがある。
ピックアップ・コイル式、半導体式共に、車輪速度検出用ロータは各ドライブ・シャフトなどに取り付けられており、車輪と同じ速度で回転している。また、センサ部はナックルなどに固定されている。
ピックアップ・コイル式は、図のように永久磁石、コイル及びコアで構成されており、コアは永久磁石によ。て磁化されているため、コアから磁カ線が発生している。ロータが回転すると、ロータの突起部とコアの位置関係が変化し、コイルを通過する磁束密度も変化するため、コイルの両端にその変化に応じた交流電圧が発生する。この電圧は正弦曲線となり、周波数はロータの回転速度に比例するため、車輪速度を検出することができる。

(4)ECUは、自己診断機能により、電子制御機構に起因する故障を検出すると、ウォーニング・ランプを点灯させるとともにダイアグノーシス・コードを記憶する。
ABS
ABSは、ブレーキ装置及び電子制御機構から構成され、ブレーキ装置についての故障現象は従来のものと変わりがないので、故障の原因としては、電子制御部品に起因するものが加わることになる。
電子制御機構に断線、短路及び電源の異常などの故障が発生すると、電子制御機構は作動せず、通常のブレーキ装置の制動作用と同じになる。また、電子制御機構に起因するものについては、自己診断機能により故障が検出されると、ウォーニング・ランプが点灯して運転者に故障の発生を知らせると共にダイアグノーシス・コードを記憶するようになっている。
なお、記憶されているダイアグノーシス・コードの確認は外部診断器(スキャン・ツール)を用いて行うが、ABSのダイアグノーシス・コードは、自動車メーカが独自に設定しているものがあり、同じダイアグノーシス・コードであっても診断項目が異なるため、修理書にて確認する必要がある。
よって答えは(1)