33.Lジェトロニック方式エンジンの不具合点検で、暖機後に無負荷アイドリング状態でO2センサ信号電圧の点検を行った結果、0V付近で一定であった。この場合に考えられる故障原因として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)フューエル・ポンプのリリーフ・バルブの開側への固着
(2)エア・フロー・メータのアース線の接触抵抗増大
(3)O2センサの触媒作用の低下
(4)プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下
解く
暖機後に無負荷アイドリング状態でO2センサ信号電圧の点検を行った結果、0V付近で一定
空燃比A/F→大きい
(1)フューエル・ポンプのリリーフ・バルブの開側への固着
F→小
よって(1)は適切
(2)エア・フロー・メータのアース線の接触抵抗増大
A→大と認識してFを増やすが
実際のAは少ない。
F→大

よって(2)は不適切
(3)O2センサの触媒作用の低下
センサ起電力→小
O2センサは,円筒状のジルコニア素子の内外面に白金をコーティングしてあり,内側は大気と,外側は排気ガスと接触できるようになっている。なお,ジルコニア素子は,活性化領域(例:360℃)を超えたとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により,起電力を発生させる性質がある。
コーティングしてある白金には、排気ガス中の酸素とCOを結合させる触媒作用があり、排気ガス側のジルコニア素子付近の酸素濃度を低下させて大気との酸素濃度差を増大させることにより、センサの起電力を発生しやすくしている。つまり、
理論空燃比より若干小さい(濃い)混合気か燃焼した場合でも排気ガス中には酸素が僅かに残るため、この白金の触媒作用を利用し残存する酸素をCOと反応させ、酸素量を低下させることによりセンサの感度を高めている。
よって(3)は適切
(4)プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下
F→小
よって(4)は適切
よって答えは(2)