16.前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATに用いられるAT・ECUの制御に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)AT・ECUは、1速から2速へのアップ・シフト時の変速ショックを低減させるために、ライン・プレッシャ特性をアクセル開度が小さいときは通常時よりも低く、大きいときは通常時よりも高くするなどエンジン駆動力に見合った特性を設定している。
(2)ATFが一10℃以下の極低温時には、クラッチやブレーキなどの作動遅れが発生するため、アクセル開度に関係なくライン・プレッシャを常に最高圧にする。
(3)Rレンジでは、減速比が大きいことから動力伝達容量を低くする必要があり、D、2、1レンジよりライン・プレッシャを低くしている。
(4)Dレンジ4速(オーバドライブ)の走行中、又は、Dレンジ3速の走行中に、2レンジにダウン・シフトした場合は、ダウン・シフト前のライン・プレッシャよりも減圧している。
解く
(1)AT・ECUは、1速から2速へのアップ・シフト時の変速ショックを低減させるために、ライン・プレッシャ特性をアクセル開度が小さいときは通常時よりも低く、大きいときは通常時よりも高くするなどエンジン駆動力に見合った特性を設定している。
変速時
変速時のショックを低減させるために,図のように,変速時のエンジン駆動力に見合ったライン・プレッシャ特性を設定し,変速状態に応じて一時的に最適ライン・プレッシャ特性を選択している。

1→2は変速ショックを和らげるために通常より低くしてある。
図は何を意味するか理解したうえで頭の中かから試験時にひねり出せるようにする。
よって(1)は不適切
(2)ATFが一10℃以下の極低温時には、クラッチやブレーキなどの作動遅れが発生するため、アクセル開度に関係なくライン・プレッシャを常に最高圧にする。
低温時のラインプレッシャ制御
ATFが低温時の場合,粘性変化のために起こる変速時のショックを防止するために油温60℃以下では図左のように変速時のライン・プレッシャを通常時より低く調圧している。
また,ATFの温度が定められた温度以下(-10℃)になったとき,クラッチやブレーキなどの作動遅れが発生するため,図右のようにアクセル開度に関係なくライン・プレッシャを常に最高圧にしている。

よって(2)は適切
(3)Rレンジでは、減速比が大きいことから動力伝達容量を低くする必要があり、D、2、1レンジよりライン・プレッシャを低くしている。
通常時のラインプレッシャ制御
ECUがエンジンの負荷をスロットル・ポジション・センサの信号より判断し,スロットル開度をもとにライン・プレッシャ特性を設定している。また,図のようにアクセル開度が増すに従ってライン・プレッシャは高くなりクラッチやバンドの締結力を強めている。

なお,Rレンジでは,減速比が大きいため動力伝達容量を高めるためにD,2,1レンジよりライン・プレッシャを高めている。
よって(3)は不適切
(4)Dレンジ4速(オーバドライブ)の走行中、又は、Dレンジ3速の走行中に、2レンジにダウン・シフトした場合は、ダウン・シフト前のライン・プレッシャよりも減圧している。
(口)エンジン・ブレーキ時
Dレンジ第4速(オーバドライブ)又は,Dレンジ第3速で走行中に2レンジにダウン・シフトした場合AT内部のクラッチに大きな駆動力が加わるため,クラッチ作動油圧又は,ライン・プレッシャを通常のライン・プレッシャより高く設定する必要がある。アクセル開度1/16以下で,Dレンジ第4速(オーバドライブ)から2レンジ又は,1レンジにダウン・シフトした場合とDレンジ第3速から2レンジ又は,1レンジにダウン・シフトした場合ではクラッチに加わる駆動力が異なるため,図のようにそれぞれに最適なライン・プレッシャ特性を設定している。

よって(4)は不適切
よって答えは(2)