令和5年10月実施2級ジーゼル問題10：コモンレール式高圧燃料噴射装置のECUに関する記述

図に示すコモンレール式高圧燃料噴射装置のECUに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1) インジェクタには製造公差があり,各気筒間に噴射量のバラツキが発生してしまうため,ECU交換時には,外部診断器(スキャン・ツール)によるインジェクタ補正値登録を行わなければならない。

(2) 噴射量制御は,インジェクション・ポンプで用いられるタイマの機能に代わるもので,基本的にエンジン回転速度と車速の信号をもとに,最適な噴射量となるようにインジェクタを制御している。

(3) 噴射圧力制御(コモンレール圧力制御)は,コモンレール内の圧力を制御することにより噴射圧力を制御するもので,コモンレール圧カセンサ,エンジン回転速度と噴射量の信号をもとにサプライ・ポンプを制御している。

(4) ECU内のAは,演算処理を行うCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)に該当し,Bはデータ記憶部となるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)に該当する。

解く

適切

インジェクタ補正値登録

インジェクタには製造公差があるため,各気筒間に噴射量のバラッキが発生してしまう。このバラッキを補正するためにインジェクタ交換時又はECU交換時には外部診断器(スキャン・ツール)によるインジェクタ補正値登録を行わなければならない。

(2) 噴射量制御は,インジェクション・ポンプで用いられるタイマの機能に代わるもので,基本的にエンジン回転速度と車速の信号をもとに,最適な噴射量となるようにインジェクタを制御している。

不適切

適切

ECU

ECUは各センサ,スイッチ類からの情報を処理し,インジェクタ,サプライ・ポンプ及び各リレーなどを制御すると共に自己診断システムを備えている。自己診断システムは,万一の異常発生時に運転者や整備者に異常を知らせる機能や,できるだけエンジン性能,寿命に影響がでないように制御を継続するフェイルセーフ機能及びバックアップ機能がある。また,故障したときの車両の状態を記憶する機能もある。

ECUは,図のように,演算処理を行うCPU(Central　processing　Unitセントラルプロセッシングユニット)と,データ記憶部となるRAM(Random　Access　Memory),ROM(Read　Only　Memory)及びデータの入出力用回路部などから構成されるデジタル制御方式が採用されている。