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令和5年10月実施2級ジーゼル問題8:コモンレール式高圧燃料噴射装置のセンサ

8

コモンレール式高圧燃料噴射装置のセンサに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1) 水温センサは,サーミスタが受ける温度が高くなるほど,抵抗値は高くなる特性を備えている。        

(2) ブースト圧センサは,大気圧に保たれたセンサ・ユニット内に四つの可変抵抗によってブリッジ回路を形成したシリコン・チップが取り付けられている。

(3) 熱線式エア・フロー・メータは,発熱抵抗体と温度補償抵抗体との温度差が常に一定に保つように発熱抵抗体への電流を制御している。

(4) 磁気抵抗素子式の回転センサは,マグネット(永久磁石),コイル,コア(鉄心)から構成されている。

 

解く

(1) 水温センサは,サーミスタが受ける温度が高くなるほど,抵抗値は高くなる特性を備えている。        

不適切

(2) ブースト圧センサは,大気圧に保たれたセンサ・ユニット内に四つの可変抵抗によってブリッジ回路を形成したシリコン・チップが取り付けられている。

不適切

ブースト圧センサは,図のように,真空に保たれたセンサ・ユ二ット内に,四つの可変抵抗によってブリッジ回路を形成したシリコン・チップが取り付けられており,その片面に吸気管圧力が作用する構造になっている。

(3) 熱線式エア・フロー・メータは,発熱抵抗体と温度補償抵抗体との温度差が常に一定に保つように発熱抵抗体への電流を制御している。

適切

エア・フロー・メータ

工ア・フロー・メータは,エア・クリーナと吸気管の間に取り付けられており,エンジンの吸入空気量を電気信号として検出しECUに入力する。この電気信号により吸入空気量が計算され,燃料噴射量,EGRの制御に用いられている。

ここでは,一般的に用いられている熱線式のエア・フロー・メータについて説明する。

熱線式エア・フロー・メータは,図のように吸気通路の途中に設けられており,数百度の一定温度で作用する発熱抵抗体(熱線)と温度補償抵抗体によって構成されている。

吸入空気量の電気信号検出は,図のように吸入空気の一部のバイバス流が発熱抵抗体を冷却することによって行うが,原理は吸入空気量の大小によって,発熱抵抗体の電気抵抗値が変化することで,回路に流れる電流が変動することを応用している。

発熱抵抗体は,温度が低いと電気抵抗値が小さく,温度が高いと抵抗値は大きくなる。

したがって,吸入空気量が少ない場合は,発熱低抗体の放熱量が少なく,電気抵抗が大きいため回路の電流は少なく,逆に吸入空気量が多い場合は,発熱抵抗体の放熱量が多く,電気抵抗が小さいため,回路の電流は多くなる。

この電気信号による電流の変化をECUは,電圧の変化に置き換えて吸入空気量として検知している。

エア・フロー・メータ内の回路は,図に示すようになっており,吸入空気量が変化したときには四つの抵抗をつなげたプリッジ回路により,発熱抵抗体(R1)と温度補償抵抗体(R2)との温度差を常に定に保つように発熱抵抗体(R1)への電流を制御している。

例えば,吸入吸気量が増えた場合,発熱抵抗体(R1)が冷やされ抵抗値が小さくなるので,R1×R4<R2×R3となり,VM≠VKとなる。制御部はこの状態を検出するし電源からVBに流れる電流を増加(R1を加熱)してR1×R4=R2×R3,VM=VKとなるように制御する。

 

(4) 磁気抵抗素子式の回転センサは,マグネット(永久磁石),コイル,コア(鉄心)から構成されている。

不適切

回転センサ

回転センサには,エンジンの回転速度及びクランク位置を検出するクランク角センサ,ピストンが圧縮上死点位置にある気筒を検出する気筒判別センサなどがあるが,センサの構造はほほ同じになるため,ここではクランク角センサについて説明する。

クランク角センサは,フライホイール・ハウジングあるいはクランク・シャフト・タイミング・ギヤ部に取り付けられており,センサの種類には,図に示すようにピックアップ・コイル式,磁気抵抗素子式などがあり,ピックアップ・コイル式はマグネット(永久磁石),コイル,コア(鉄芯)から構成されている。また,磁気抵抗素子式はマグネット(永久磁石),磁気抵抗素子内蔵ICから構成されている。

よって答えは3