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ギヤ・オイルに用いられる添加剤に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)酸化防止剤は、温度変化に対する粘度変化を少なくする作用がある。
(2)流動点降下剤は、オイルに含まれる、ろう(ワックス)分が結晶化するのを抑えて、低温時の流動性を向上させる作用がある。
(3)極圧添加剤は、耐圧性の向上、極圧下での油膜切れや摩耗の防止などをする作用がある。
(4)油性向上剤は、金属に対する吸着性及び油膜の形成力を向上させ、摩擦係数を減少させる作用がある。
解く
(1)酸化防止剤は、温度変化に対する粘度変化を少なくする作用がある。
不適切
粘度指数向上剤 |
温度変化に対する粘度変化を少なくする。 |
(2)流動点降下剤は、オイルに含まれる、ろう(ワックス)分が結晶化するのを抑えて、低温時の流動性を向上させる作用がある。
(3)極圧添加剤は、耐圧性の向上、極圧下での油膜切れや摩耗の防止などをする作用がある。
(4)油性向上剤は、金属に対する吸着性及び油膜の形成力を向上させ、摩擦係数を減少させる作用がある。
よって答えは(1)
ギヤ・オイルに使用される代表的な添加剤
添加剤 |
作用 |
油性向上剤 |
金属に対する吸着性及び油膜の形成力を向上させ、摩擦係数を減少させる。ウォーム・ギヤなど滑りの多い歯車に対して重要な役割を果たす。 |
極圧添加剤 |
耐圧性の向上、極圧下での油膜切れや摩耗の防止などをする。高荷重・高速の歯車に重要な役割を果たす。 |
粘度指数向上剤 |
温度変化に対する粘度変化を少なくする。 |
流動点降下剤 |
オイルに含まれるろう(ワックス)分が結晶化するのを抑えて、低温時の流動性を向上させる。 |
消泡剤 |
ギヤ・ケース(トランスミッションなど)内においてかき混ぜられたときなどの泡立ちを抑え、油膜切れによる焼き付きなどを防止する。 |
腐食防止剤 |
金属の腐食を防止する。 |
高温時における酸化を防止し、オイルの寿命を延長させる。 |