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令和6年10月実施2級ガソリン問題21:タイヤに関する記述

21

タイヤに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)ダイナミック・アンバランスとは、タイヤ(ホイール付き)の一部が他の部分より重い場合、ゆっくり回転させると重い部分が下になって止まるとをいう。

(2)タイヤの変形による抵抗とは、タイヤが回転するごとに路面により圧縮され、再び原形に戻ることを繰り返すことにより発生する抵抗をいう。

(3)タイヤに10mmの縦たわみを与えるために必要な静的縦荷重を静的縦ばね定数といい、この値が小さいほど路面から受ける衝撃を吸収しやすく、乗り心地がよい。

(4)タイヤの偏平率(%)とは、「断面幅」を「断面高さ」で除したものに、100を乗じた値をいう。

 

 

解く

 

(1)ダイナミック・アンバランスとは、タイヤ(ホイール付き)の一部が他の部分より重い場合、ゆっくり回転させると重い部分が下になって止まるとをいう。

不適切

重量のアンバランスによる振動

(a)スタティック・アンバランス

タイヤ(ホイール付き)の一部が他の部分より重い場合、ゆっくり回転させると重い部分が下になって止まる。このアンバランスをスタティック・アンバランスといい、タイヤの回転中はこの部分に遠心力が余分に働き、タイヤが上下に振動する。

(b)ダイナミック・アンバランス

タイヤ(ホイール付き)にスタティック・アンバランスがない状態で、高速で回転させたときにタイヤが横振れを起こすことがある。このアンバランスをダイナミック・アンバランスといい、主としてシミー(注3参照)の原因になる。

 

(注3)シミーとは、走行中に起こる前輪の横振れにより、ステアリング・ホイールが回転方向に継続的に振動する現象をいう。

 

 

(2)タイヤの変形による抵抗とは、タイヤが回転するごとに路面により圧縮され、再び原形に戻ることを繰り返すことにより発生する抵抗をいう。

適切

タイヤの転がり抵抗

タイヤの転がり抵抗は、分類すると次のとおりである。

(イ)タイヤの変形による抵抗

タイヤは、回転するごとに路面により圧縮され、再び原形に戻ることを繰り返す。タイヤを構成するゴムやコードが完全な弾性体であれば、圧縮に要したエネルギは原形に戻るときに完全に放出されるが、実際は弾力として放出されるエネルギは一部分である。これがタイヤの変形による抵抗の原因であり、この抵抗は、一般にタイヤの転がり抵抗の中で最も大きく、路面の状況、速度及びタイヤの種類、構造、エア圧などの影響を受ける。

(ロ)タイヤと路面との摩擦による抵抗

タイヤは、路面との接触部で滑りを生じるため、摩擦による抵抗が発生する。この抵抗は、タイヤの転がり抵抗のうち、一般に5~10%程度であるが、路面の状況やタイヤの構造、トレッド・パターンなどの影響を受ける。

(ハ)タイヤの半径に伴う空気抵抗

タイヤは、回転するごとに空気の抵抗を受ける。この抵抗は、一般にタイヤの転がり抵抗の中で最も小さい。

 

(3)タイヤに10mmの縦たわみを与えるために必要な静的縦荷重を静的縦ばね定数といい、この値が小さいほど路面から受ける衝撃を吸収しやすく、乗り心地がよい。

不適切

タイヤの緩衝作用

路面からの衝撃は、まず、タイヤにより吸収され、更にショック・アブソーバやスプリングなどにより吸収される。

タイヤの緩衝作用は、タイヤの形状、寸法、材質及び構造などによって左右されるが、エア圧及び荷重によっても大きく影響を受ける。

タイヤのエア圧が一定の場合、タイヤのたわみ量は、タイヤに加わる荷重にほば比例して変化する。

このことからタイヤは、ばねの一種と考えられる。

タイヤに1mmの縦たわみを与えるために必要な静的縦荷重を静的縦ばね定数といい、この値が小さいほど路面から受ける衝撃を吸収しやすく、乗り心地がよい。

 

(4)タイヤの偏平率(%)とは、「断面幅」を「断面高さ」で除したものに、100を乗じた値をいう。

不適切

タイヤの偏平率

偏平率(%)は、偏平比(断面高さ/断面幅)に100を乗じたもので、これを小さくするとタイヤの横剛性が高くなり、車両の旋回性能及び高速時の操縦性能が向上する。

偏平率を小さくするには、図のようにタイヤとホイールの組み合わせを替えることで行うが、タイヤの外径を変えないようにする必要がある。

なお、偏平率が小さくなるほど、タイヤのたわみ量が少なくなるので乗り心地が悪くなる。

よって答えは2