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トルク・コンバータに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)コンバータ・レンジでは、全ての範囲において速度比に比例して伝達効率が上昇する。
(2)速度比がゼロのときの伝達効率は100%である。
(3)カップリング・レンジにおけるトルク比は、2.0~2.5である。
(4)速度比は、タービン軸の回転速度をポンプ軸の回転速度で除して求める。
解く
(1)コンバータ・レンジでは、全ての範囲において速度比に比例して伝達効率が上昇する。
不適切
(2)速度比がゼロのときの伝達効率は100%である。
不適切
(3)カップリング・レンジにおけるトルク比は、2.0~2.5である。
不適切
(4)速度比は、タービン軸の回転速度をポンプ軸の回転速度で除して求める。
適切
トルク・コンバータの性能曲線図
図は、トルク・コンバータの性能曲線図である。
横軸はタービン・ランナとポンプ・インペラの速度比を、縦軸はトルク比と伝達効率を示す。
トルク比は、タービン・ランナが停止しているとき、つまり、速度比ゼロのとき最大を示し、これをストール・トルク比といい、一般に2.0~2.5程度である。また、速度比が大きくなるに従ってトルク比は小さくなり、カップリング・レンジではトルク比は1となる。
出力は、トルクと回転速度に比例するから、コンバータ・レンジで伝達効率は急上昇するが、タービン・ランナからのATFがステータの羽根の裏側に当たるようになると、伝達効率は落ち始める。しかし、その後カップリング・レンジでは、速度比に比例して伝達効率が上昇する。また、クラッチ・ポイントの速度比は、一般に0.8~0.9程度である。
なお、トルク・コンバータは遊星歯車式(プラネタリ・ギヤ・ユニット)のほかにも、無段変速式(CVT)でも使用されている。
よって答えは(4)