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前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATのストール・テストに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)エンジンの回転速度が各レンジとも等しく、かつ、基準値内にあれば正常である。
(2)すべてのレンジでエンジンの規定回転速度より高い場合には、ステータのワンウェイ・クラッチの作動不良(滑り)が考えられる。
(3)特定のレンジのみがエンジンの規定回転速度より高い場合には、エンジン出力不足が考えられる。
(4)各レンジのエンジンの回転速度は等しいが、全体的に低い場合には、フォワード・クラッチの滑りが考えられる。
解く
(1)エンジンの回転速度が各レンジとも等しく、かつ、基準値内にあれば正常である。
適切
(2)すべてのレンジでエンジンの規定回転速度より高い場合には、ステータのワンウェイ・クラッチの作動不良(滑り)が考えられる。
不適切
(3)特定のレンジのみがエンジンの規定回転速度より高い場合には、エンジン出力不足が考えられる。
不適切
(4)各レンジのエンジンの回転速度は等しいが、全体的に低い場合には、フォワード・クラッチの滑りが考えられる。
不適切
よって答えは(1)
ストール回転速度の点検
この点検は、各レンジにおけるエンジンの最高回転速度を測定し、トルク・コンバータ、変速機構及びエンジンなどの総合性能を調べるために行うものである。
点検方法は、自動車の前後輪に輪止めをし、シフト位置がPレンジでパーキング・ブレーキが確実に作動していることを確認する。エンジンを始動し、D、2、1及びRの各レンジに操作し、ブレーキ・ペダルを踏んだまま、アクセル・ペダルを全開にしたときのエンジン回転速度を測定する。
なお、点検は5秒以下の短時間で行う。
この場合、エンジン回転速度が各レンジとも等しく、かつ、基準値内にあれば正常であるが、正常でない場合は次のようなことが考えられる。
・各レンジでの回転速度は等しいが、全体的に低い場合には、エンジンの出力不足、ステータのワンウェイ・クラッチ作動不良(滑り)など。
・特定のレンジのみが規定回転速度より高い場合には、プラネタリ・ギヤ・ユニットの中の該当するクラッチ、ブレーキ及ひブレーキ・バンドなどの滑り、同系統のATF漏れなど。
・全てのレンジで規定回転速度より高い場合には、オイル・ポンプの不良やATFの不足による、ライン・プレッシャの低下など。