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ABSのダイアグノーシス・コードに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)車輪速センサの異常検知は,断線,短絡のほか,信号異常も検知してコードを表示する。 |
(2)ポンプ・モータの作動,非作動は,ポンプ・モータの電源側電圧の有無で判定している。 |
(3)ポンプ・モータのロック診断は,発進時ポンプ・モータを0Nにしたときの駆動電圧の立ち上がりの傾斜で判定している。 |
(4)ホイール・ロック診断は,走行中の車輸速センサ信号により異常検知する。 |
解く
(1)車輪速センサの異常検知は,断線,短絡のほか,信号異常も検知してコードを表示する。 適切 ダイアグノーシス・コード表示:11,13,15,17 車輪速センサ信号の断線,短絡を検知している。 ABS警告灯が消灯せず,上記のダイアグノーシス・コードを表示していることを確認する。 解説はダイアグノーシス・コード13を例にしているが,他も同様である。 点検はイグニション・スイッチをONにして行う。
ダイアグノーシス・コード表示:12,14,16,18 車輪速センサ信号の異常,リヤ最速車輪が10km/h以上のとき,他の車輪速センサ信号がない,最速車輪が30km/h以上のとき,70秒以上信号がない,センサ・ハーネスと他センサ・ハーネスの短絡,ノイズ入力による異常を検出している。 イグニション・スイッチをOFFからONにし,車速30km/h以上で走行して再現テストを実施する。ABS警告灯が消灯しない又は点灯し,ダイアグノーシス・コード12,14,16,18を確認できた場合は,ダイアグノーシス・コードに該当した車輪速センサに上記の検出条件下で,異常が発生している。 ・点灯しない場合は,駆動輪のみの回転,車両スピン,ノイズ入力があったと考えられる。
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(2)ポンプ・モータの作動,非作動は,ポンプ・モータの電源側電圧の有無で判定している。
適切
(3)ポンプ・モータのロック診断は,発進時ポンプ・モータを0Nにしたときの駆動電圧の立ち上がりの傾斜で判定している。 不適切 ダイアグノーシス・コード表示:51 モータ・ロックを診断しており,イグニション・スイッチON後の発進時,モータを駆動させたときのモータ・ロックを検出している。 ダイアグノーシス・コードを消去した後,車速10km/h以上で走行して再現テストを実施する。ABS警告灯が点灯し,ダイアグノーシス・コード51を確認できた場合は,モータ(モジュレータ・ユニット)を交換する。 ・点灯しない場合は,一時的な異常があったと考えられる。
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(4)ホイール・ロック診断は,走行中の車輸速センサ信号により異常検知する。 |
適切
ダイアグノーシス・コード表示:41~44
ホイール・ロックを診断しており,走行中の車輪速センサ信号によりホイール・ロックを検出している。
走行して,ブレーキを掛けるとABS警告灯が点灯し,ダイアグノーシス・コード41~44を確認できた場合は,ダイアグノーシス・コードに該当したホイールのブレーキの引きずりや車輪速センサの取り付け状態などの点検を実施する。
・点灯しない場合は,旋回中のスピンや,一時的な異常があったと考えられる。