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平成16年実施検定1級小型問題28:SRSエア・バッグ・システム整備上の注意事項

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SRSエア・バッグ・システムの整備上の注意事項として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)エア・バッグの作動用ハーネスをニッパ等で切断する場合、97年以降に製作された自動車にあっては,ハーネス保護カバー色又はハーネス色が黄色の作動用ハーネスから切断すること。

(2)インパクト・レンチを使用しないこと。また,センサ類に衝撃を与えないこと。特に側面衝突センサは,わずかな衝撃を与えただけでサイド・エア・バッグが展開する恐れがあるので,注意すること。

(3)エア・バッグ・システムの部品を取り外す場合,誤作動の事故を防止するため,イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過した後,エア・バッグ・カプラを取り外した状態でエア・バック・システムの部品を外すこと。

(4)エア・バッグ・システムの点検は,最小レンジの通電電流値が100mA以下のデジタル・サーキット・テスタを使用すること。

 

解く

(1)エア・バッグの作動用ハーネスをニッパ等で切断する場合、97年以降に製作された自動車にあっては,ハーネス保護カバー色又はハーネス色が黄色の作動用ハーネスから切断すること。

適切

エア・バッグの作動用ハーネスを,保護カバー色('97年1月以降黄色)又はハーネス色(’97年1月以降黄色)から確認し,ニッパ等で切断する。

(注)

・’96年12月以前の車については保護カバー及びハーネス色が車種ごとに異なるため,メーカ別マニュアルを参照すること。

・保護カバー(コルゲート・チューブ又はビニール・チュープ)内にハーネスがある車種が多い。

・切断するときは,体をエア・バッグの正面に置かないこと。

 

(2)インパクト・レンチを使用しないこと。また,センサ類に衝撃を与えないこと。特に側面衝突センサは,わずかな衝撃を与えただけでサイド・エア・バッグが展開する恐れがあるので,注意すること。

適切

SRS・ECU及び側面衝突センサ

①イグニション・スイッチON時又はイグニション・スイッチOFF後3分以内にSRS・ECU及び側面衝突センサに衝撃を与えないこと。SRS・ECU内部及び側面衝突センサには,衝撃を感知するセンサが内蔵されており,SRS・ECUのパックアップ電源回路により,イグニションスイッチOFFでも,3分以内はエア・バッグ及びサイド・エア・バッグが展開する可能性があるためである。

②SRS・ECU及び側面衝突センサを脱着するときは,インパクト・レンチを使用しないこと。また,その付近に強い衝撃を与えないこと。

③衝突などにより,エア・バッグなどが作動した場合は,SRS・ECUを交換すること。また,サイド・エア・バッグが作動した場合は,SRS・ECUと衝突側の側面衝突センサを交換すること。作動していない場合は,SRS・ECU,側面衝突センサの外傷,変形を点検し,それらがある場合は交換すること。

④SRS・ECU及び側面衝突センサは,絶対に分解しないこと。

⑤SRS・ECUの脱着及びSRS・ECUに接続するカプラの取り外しは,イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過後行うこと。

⑥SRS・ECU及び側面衝突センサは,ボデーに規定トルクで取り付けること。

⑦オイル,水,ホコリが付着しないように保管すること。

⑧温度40℃以下,湿度80%以下で結露しない場所に保管すること。

 

(3)エア・バッグ・システムの部品を取り外す場合,誤作動の事故を防止するため,イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過した後,エア・バッグ・カプラを取り外した状態でエア・バック・システムの部品を外すこと。

適切

エア・バッグ・システムの整備作業を行う場合は,イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過後実施すること(故障診断での特別な指示は除く)。これは,イグニション・スイッチをOFFにした後,3分以内はSRS・ECU及び側面衝突センサは作動しているので,衝撃が加わると,エア・バッグなどが展開する可能性があるためである。また,作業が終了するまでは,安全のためにパッテリ端子を接続しないこと。このシステムのメモリ機能は,イグニション・スイッチをOFF又はバッテリ端子を外してもメモリ内容は消去されないためである。

 

 

(4)エア・バッグ・システムの点検は,最小レンジの通電電流値が100mA以下のデジタル・サーキット・テスタを使用すること。

不適切

SRSエア・バッグ・システム整備上の注意事項

システム全般

エア・バッグ・システム(運転席・助手席用エア・バッグ,プリテンショナ・シート・ベルト及びサイド・エア・バッグ)の点検及び整備作業は,正しい手順・方法で作業を行わなかった場合,誤作動をしてけがをしたり,システムが正常に機能しなくなることがあるため,実施する前には必ず次の事項に従って作業を進めなけれはならない。

①エア・バッグ・システムの整備作業を行う場合は,イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過後実施すること(故障診断での特別な指示は除く)。これは,イグニション・スイッチをOFFにした後,3分以内はSRS・ECU及び側面衝突センサは作動しているので,衝撃が加わると,エア・バッグなどが展開する可能性があるためである。また,作業が終了するまでは,安全のためにパッテリ端子を接続しないこと。このシステムのメモリ機能は,イグニション・スイッチをOFF又はバッテリ端子を外してもメモリ内容は消去されないためである。

②エア・バッグ・システムの部品を取り外す場合(カプラの接続外しも含む)は,誤作動による事故を防止するため,事前にエア・バッグ・カプラの接続を外すこと。(後述のエア・バッグ,プリテンショナ・シート・ベルト及びサイド・エア・バッグのカプラの接続外しの項参照)

③SRS・ECU乂は側面衝突センサを車体から取り外す場合は,下記項目を確認してから作業を行うこと。

i)イグニション・スイッチをOFFにし,バッテリ端子を外してから3分以上経過していること(上記①参照)。

ⅱ)工ア・バッグ又はサイド・エア・バッグのカプラが外れていること(上記②参照)。

ⅲ)インパクト・レンチを使用しないこと。また,SRS・ECU又は側面衝突センサに衝撃を与えないこと。側面衝突センサはわすかな衝撃を与えただけで,サイド・エア・バッグが展開する構造になっているため,特に注意すること。

④エア・バッグ・システムの部品を交換する場合は,指定された仕様の新品と交換すること。

⑤エア・バッグ・システムの部品は,落下させないこと。また,取り付ける前に,へこみ,割れ,変形がないか点検し,異常があれは交換すること。

⑥エア・バッグ・システムの点検は,最小レンジの通電電流値が10mA以下のデジタル・サーキットテスタを使用すること。通電電流値が10mAを超えるテスタを使用すると,回路の故障又はエア・バッグ暴発の原囚となる。

⑦助手席エア・ハッグの上に物(テスタ,工具など)を置いて作業をしないこと。

 

よって答えは4