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パラレル・シリーズ・ハイブリッド・システムの点検・整備上の注意事項として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)高電圧系統の点検・整備を行う場合は,絶縁手袋の着用,サービス・プラグの取り外しなど,感電防止措置を確実に実施すること。 |
(2)サービス・プラグを取り外した場合,サービス・プラグを抜いた後,5分間を経てインバータ内の高電圧コンデンサを放電させてから,サービス・プラグのソケット部にガム・テープなどを貼って絶縁すること。 |
(3)絶縁手袋は使用前に,ひび,割れ,破れ,その他損傷がないことを,息を吹きこんで確認し,直ちに装着すること。ただし,息が漏れる場合は,絶対に使用しないこと。 |
(4)高電圧のコネクタや端子を取り外した場合は,直ちに,絶縁テープを貼って絶縁すること。 |
解く
(1)高電圧系統の点検・整備を行う場合は,絶縁手袋の着用,サービス・プラグの取り外しなど,感電防止措置を確実に実施すること。 適切 |
高電圧回路の点検,整備上の注意
① 高電圧回路に関わる点検,整備を行うエンジニアには,労働安全衛生法第 59 条並びに労働安全衛生規則第 36 条により特別教育の受講が義務付けられている。
② 高電圧回路のワイヤ・ハーネス,コネクタは,オレンジ色で統一してある。
また, HV バッテリをはじめ高電圧に関わる部品には,「高電圧」のコーション・ラべルが張り付けてある。
これらの配線や部品には,不用意に手を触れてはならない。
③高電圧系統の点検,整備を行う場合は,絶縁手袋の着用,並びに,図のようにサービス・プラグの取り外しなど,感電防止措置を確実に実施する。
④ 高電圧のコネクタや端子に触れるときには,図のようにサービス・プラグを抜いた後,5 分間を経てインバータ内の高電圧コンデンサを放電させてからにすること。
⑤絶縁手袋は使用前に,ひび・割れ・破れ・その他損傷がないことを,息を吹きこんで確認するが,図 1 一 39 のように息が漏れる場合は,絶対に使用しないこと。また,漏れない場合にも,息を吹き込んだことにより,手袋の内部が湿潤しているため,少し時間をおいてよく乾燥させてから手袋を使用すること。湿潤した手袋は,絶対に使用してはならない。
⑥作業時はシャープ・ペンシルやスケールなど,落下して短絡の恐れがある金属製品を身に着けてはならない 。
⑦絶縁被覆がない高電圧端子に触れるときは,事前に絶縁手袋を着用し,テスタで電圧が約 OV であることを確認しなければならない。
⑧高電圧のコネクタや端子は,取り外し後,直ちに,図 のように絶縁テープで絶縁処置を施す。
⑨高電圧のネジ止め端子は,トルク不足,過大ともに不具合の原因になるため,規定トルクで確実に締め付けなければならない。
⑩高電圧系の作業中は,車両に「高電圧作業中・触るな」の標示を行うなど,他のエンジニアに注意を喚起する必要がある。
⑪高電圧系の作業後,サービス・プラグを接続する前に部品や工具の置き忘れ,高電圧端子の締め付け及びコネクタの接続状態などを再確認する。
(2)サービス・プラグを取り外した場合,サービス・プラグを抜いた後,5分間を経てインバータ内の高電圧コンデンサを放電させてから,サービス・プラグのソケット部にガム・テープなどを貼って絶縁すること。 適切 |
(3)絶縁手袋は使用前に,ひび,割れ,破れ,その他損傷がないことを,息を吹きこんで確認し,直ちに装着すること。ただし,息が漏れる場合は,絶対に使用しないこと。 不適切 |
(4)高電圧のコネクタや端子を取り外した場合は,直ちに,絶縁テープを貼って絶縁すること。 |
適切
よって答えは(3)