自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成16年実施検定1級小型問題7:デジタル・テスタ

7

デジタル・テスタに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)テスタの直流電圧表示値が5.0000Ⅴのとき,性能表の直流電圧計に記載の確度が5Ⅴレンジ「0.02+5」と表記されたテスタの実際の測定値は4.9985Ⅴ~5.0015Ⅴの範囲であることになる。

(2)電源電圧10Ⅴ・抵抗値1MΩの抵抗を直列に2つ接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタを接続したときの計算上の表示値は,約4.7826Vになる。

(3)最大入力電圧は,テスタに加えられる電圧の最大値を表し,AC750V・rmsなどと表示され交流電圧は実効値で750Vまで許容できることを表している。

(4)NMRR(ノーマル・モード・リジェクト・レシオ)とは,大地を基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に測定値に与える影響度を表し,「NMRR:60dB以上50/60Hz」などと表示される。

 

解く

(1)テスタの直流電圧表示値が5.0000Ⅴのとき,性能表の直流電圧計に記載の確度が5Ⅴレンジ「0.02+5」と表記されたテスタの実際の測定値は4.9985Ⅴ~5.0015Ⅴの範囲であることになる。

適切

5.0000±(5.0000×0.0002+0.0005)=5.0000±0.00154.9985Ⅴ~5.0015Ⅴ

 

 

(2)電源電圧10Ⅴ・抵抗値1MΩの抵抗を直列に2つ接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタを接続したときの計算上の表示値は,約4.7826Vになる。

適切

(3)最大入力電圧は,テスタに加えられる電圧の最大値を表し,AC750V・rmsなどと表示され交流電圧は実効値で750Vまで許容できることを表している。

適切

最大入力電圧及び最大入力電流

最大入力電圧は,デジタル・テスタに加えられる電圧の最大値を表し,「1000V DC及び1000V・rms AC」などと表示され,直流電圧は1000Vまで許容できることを表し,交流電圧も実効値(RMS)(注1参照)で1000Vまで許容できることを表している。

最大入力電流は,電流計の選択レンジによって変わり,微少電流レンジと大電流レンジでは異なる。表示については,微少電流レンジでは500mAと表示されており,大電流レンジでは値が異なるが表示方法は同一であり,許容耐電圧が併せて表示されているものもある。

また,直流に交流が重畳(直流に交流が乗る)した電圧を入力する場合,直流電圧計では,直流電圧値に交流電圧値を加算した電圧値が最大値を超えてはならない。また,交流電圧計では,AC結合(注2参照)で測定電圧を取り込んでいるため,直流は入力されず交流電圧値のみの測定を行っているので,交流電圧値が最大入力電圧を超えなければよい。電流計はDC結合(注3参照)で測定するため,直流電流値に交流電流値を加算した電流値が,最大値を超えてはならない。

(注1)交流の実効値(RMS:Root Mean Square)とは,同じ抵抗に対して,一定時間,交流を流した場合と,直流を流したときで同じ仕事をした場合,交流と直流は等しいとみなし,例えば,実効値100Vとは,100Vの直流が行う仕事と同じ仕事を行う交流の電圧をいう。

(注2)AC結合とは,測定する電圧の中の直流分を,除去して行う方法をいう。

 

 

(4)NMRR(ノーマル・モード・リジェクト・レシオ)とは,大地を基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に測定値に与える影響度を表し,「NMRR:60dB以上50/60Hz」などと表示される。

不適切

NMRR(Normal ノーマル・Mode モード・Rejectionリジェクション・Ratioレシオ)

NMRRとは,測定電圧に別の電圧(ノイズなど)が重畳している場合に,測定値に与える影響度を表している。「NMRR:60dB以上50/60Hz」と書かれている場合は,50Hz及び60Hzでの成分をもった電圧(ノイズ)が測定電圧に重畳しているとき,その電圧(ノイズ)を 1/1000  以下に減衰させて,測定目的とした電圧値の表示を行っている。

CMRR(Common コモン・Mode モード・Rejectionリジェクション・Ratioレシオ)

CMRRとは,アースを基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表している。

「CMRR : 120dB以上50/60Hz」と書かれている場合は,50Hz及び60Hzでの成分をもった電圧(ノイズ)が測定端子とアース間に発生したときに,測定電圧への影響度が  1/1000000   以下に除去する能力があることを表している。

また,参考としてノイズには,ノーマル・モード・ノイズ,コモン・モード・ノイズなどがある。

 

ノーマル・モード・ノイズとは,図のように一つの回路を構成する配線の中に,~ で表す別の電圧(ノイズ)が集まっている状態をいう。

コモン・モード・ノイズとは,図1-38のように一つの回路を構成する配線の片側とアース間に,~ で表す電圧(ノイズ)で電位差が発生している状態をいう。

(注) NMRR,CMRRは商用電源(50Hz&60Hz)によるノイズを除去するのに有効なスペックである。

 

よって答えは4