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平成17年3月実施1級小型問題5改:エンジンECUが行うセンサの異常検知に関する記述

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エンジンECUが行うセンサの異常検知に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)負特性サーミスタを利用した水温センサの場合,信号電圧が5V基準電圧になったときや信号電圧が発生しなくなったときに異常検知が行われる。

(2)一つの可変抵抗器を用いたスロットル・ポジション・センサの場合,検出する開度(角度)が信号電圧特性に一致しないとき及び信号電圧が発生しないときに異常検知が行われる。

(3)クランク角センサの異常検知は,信号電圧がエンジンECU検出レベル以下の場合だけでなく,波形に連続的にノイズが混入しているときも行われる。

(4)ON・OFFスイッチを利用した論理信号センサの異常検知は単独では不可能である。

 

解く

(1)負特性サーミスタを利用した水温センサの場合,信号電圧が5V基準電圧になったときや信号電圧が発生しなくなったときに異常検知が行われる。

適切

異常検知範囲

 マイコンが異常検知する仕組みは,図(1)に示すようにマイコン閾値と検出信号電圧の比較が行われ,マイコンは,図(2)に示す上限値の閾値をアップ・エッジしたとき,又は,下限値の開値をダウン・エッジしたときに異常検知を行う。

 センサの機能低下(特性異常)や各配線に接触抵抗の増大などが発生し,実際の温度と検出信号電圧とが一致しなくても,この信号電圧が図(1)の異常検知不可範囲にある場合は,マイコンは異常検知しない。

 

(2)一つの可変抵抗器を用いたスロットル・ポジション・センサの場合,検出する開度(角度)が信号電圧特性に一致しないとき及び信号電圧が発生しないときに異常検知が行われる。

不適切

異常検知

異常検知範囲

マイコンが異常検知する仕組みは,図(1)に示すようにマイコン閾値と検出信号電圧の比較が行われ,マイコンは,図(2)に示す上限値の閾値をアップ・エッジしたとき,又は,下限値の閾値をダウン・エッジしたときに異常検知を行う。

センサの機能低下(特性異常)や各配線に接触抵抗の増大などが発生し,実際のスロットル開度と検出信号電圧とが一致しなくても,この信号電圧が図(1)の異常検知不可範囲にある場合は,マイコンは異常検知しない。

(3)パルス・ジェネレータ式センサの異常検知は,信号電圧がエンジンECU検出レベル以下の場合だけでなく,波形に連続的にノイズが混入しているときも行われる。

適切

 異常検知

異常検知範囲

 パルス・ジェネレータ式センサは,電源電圧をもたず,自己起電力による信号電圧になるため,回路構成上,上限値に関わる異常検知はできない。

 マイコンが異常検知する仕組みは,図(1)に示すようにマイコン閾値と検出信号の比較が行われ,マイコンは,閾値をダウン・エッジしたときに異常検知を行う。

 

 センサの機能低下(特性異常)や各配線に異常(接触抵抗の増大など)が発生し,プログラムのマップ・データと検出信号電圧とが一致しなくても,この信号電圧がプログラムのマップ・データで設定した異常検知不可範囲にある場合は,マイコンは異常検知しない。

 また,自己起電力をもつパルス・ジェネレータ式センサは,インピーダンス(注参照)が大きいものと,運転状況に応じてインピーダンスが大きくなるものがあり,信号以外の電圧(ノイズ)が混入して異常信号を発生する場合がある。これらのノイズ混入の対策では,ソフトウェアを使用し,マイコンに示すように高速域でセンサ信号情報を検出する場合他の関連センサ情報との相関を比較して,ノイズ混入の異常検知を行うものがある。

(4)ON・OFFスイッチを利用した論理信号センサの異常検知は単独では不可能である。

適切

 異常検知

 異常検知範囲

 マイコンが異常検知する仕組みは,マイコン閾値と検出信号電圧を比較して行うが,常閉接点スイッチなどの単純センサの場合には,断線・短絡時に入力回路に入力される信号電圧値と正常時のセンサが作る信号電圧に同じ電圧値が混在することになり,のように5V0Vマイコンの上限値及び下限値の閾値と比較して異常と特定することができない。

 

また,上述した論理信号センサを使用している装置で,制御上,断線・短絡などの異常検知を必要とする場合には,ソフトウェアを使用して,当該センサの状態を別のセンサで監視・認識する機能をもたせることにより,センサ信号電圧の変化値が車両の運転上あり得ない場合などに,異常検知を可能とするものがある。

 

 よって答えは2