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自動車整備士資格試験を解く

平成17年実施検定1級小型問題22:オート・エアコンの内気温センサ

22

オート・エアコンの内気温センサに用いるリニア信号センサに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)効率良く室温の検出を行うため,検出素子(サーミスタ)部に室内の空気を循環させている。

(2)サーミスタの抵抗値を電流値に変換し,その変化を信号としている。

(3)ブラシレス・モータでファンを駆動しているものと,空調用空気の中に絞り弁(アスピレータ)を置き,負圧によるラム圧効果を利用したものがある。

(4)ファン型は常にモータを駆動して検出し,アスピレータ型はブロア・モータの駆動時のみ室内空気が循環して検出している。

 

解く

(1)効率良く室温の検出を行うため,検出素子(サーミスタ)部に室内の空気を循環させている。

(2)サーミスタの抵抗値を電流値に変換し,その変化を信号としている。

不適切

(3)ブラシレス・モータでファンを駆動しているものと,空調用空気の中に絞り弁(アスピレータ)を置き,負圧によるラム圧効果を利用したものがある。

(4)ファン型は常にモータを駆動して検出し,アスピレータ型はブロア・モータの駆動時のみ室内空気が循環して検出している。

 

よって答えは2

 

 

内気(車室内)温度センサ

内気(車室内)温度センサは,車室内の温度と目標設定温度との差を検出して冷房・暖房モードにおけるエアコン・ユニットの基本制御を行うためのメイン・センサの役割をもっており,図(1)に示すアスピレータ型の基本的構造は,オート・エアコンの空調エア・ダクトにアスピレータ(絞り弁)部分を置き,空調エア・ダクトのエア流速でアスピレータ(絞り弁)先端部分に負圧を発生させて,車室内のエアを検知用空気流入口から吸い込み,温度センサに反応させて車室内温度の計測を行うものと,図(2)に示すファン型の基本的構造は,モータとファンにより強制的に車室内のエアを吸い込み,温度センサに反応させて車室内温度の計測を行うものである。

回路構成は,温度の検出方法は水温センサと同じ回路構成で,アスピレータ型では,モータ駆動アンプ回路が不要なため温度センサ回路のみである。ファン型では,モータ駆動回路をもっており,ECUの駆動回路から駆動電圧が出力されると,モータ駆動アンプ回路で交流電圧に変換されてブラシレス・モータの駆動が行われる。

サーミスタは,温度によって抵抗値が変わる性質をもち,この抵抗値の変化は温度変化に応答しているため,冷却水温度の変化を抵抗値の変化に置き換えて温度の検出を行うことができる。

 温度に対する抵抗値の変化(温度抵抗特性)は,一般に温度が低いときは抵抗値が大きく,温度が高くなるに従い抵抗値が小さくなる負の温度特性をもつサーミスタが多く用 いられている。

 サーミスタが温度により変化するのは抵抗値であるため,マイコンは,検出できる電圧値に置き換える必要がある。