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自動車整備士資格試験を解く

平成18年3月実施1級小型問題42:自動車から出る廃棄物等

42

自動車から出る廃棄物等について,産業廃棄物処理の影響と対応に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)金属鉛は粉じんとして吸収した場合,造血機能を営む骨髄神経を害し,強度の中毒では死亡することがある。

(2)冷却水(LLC)の主成分のエチレン・グリコールは,河川に流出させると自然環境を破壊することになるので,油水分離装置で浄化する必要がある。

(3)SRSエア・バッグに採用されていたアジ化ナトリウムには毒性があり,比較的即効性で一過性の低血圧,不整脈等を起こし,重傷では心室細動等により死亡することがある。

(4)タイヤの原材料は約60%が石油(ナフサ)であり,また,野積み放置による火災発生等が社会問題となっている。

 

解く

 

(1)金属鉛は粉じんとして吸収した場合,造血機能を営む骨髄神経を害し,強度の中毒では死亡することがある。

適切

バッテリ

環境への影響

バッテリに含まれる鉛及び鉛化合物は,有毒物質として古くから知られている。

金属鉛は,常温では蒸発しないが,粉じんとして吸収したりした場合は,地の重金風と同じく造血機能を営む骨髄神経を害し,強度の中毒では死亡することがある

また,バッテリ液(希硫酸)も有害物質である。

 

(2)冷却水(LLC)の主成分のエチレン・グリコールは,河川に流出させると自然環境を破壊することになるので,油水分離装置で浄化する必要がある。

不適切

廃LLCは,油水分離装置の設備にて対応できると誤解している向きもあるが,油水分離装置は,LLCに対して,浄化機能はないので注意しなければならない。

 

(3)SRSエア・バッグに採用されていたアジ化ナトリウムには毒性があり,比較的即効性で一過性の低血圧,不整脈等を起こし,重傷では心室細動等により死亡することがある。

適切

エア・バッグ

環境への影響

SRSエア・バッグ(以下,エア・バッグという。)は,未作動のまま廃棄処理されると,破砕処理工程で有害なアジ化ナトリウムが出てきたり,金属再生工程で破裂する恐れがある。

アジ化ナトリウムの毒性は,比較的即効性で,一過性の低血圧,不整脈,おう吐,めまい,失神等を起こす。重傷では心室細動,心筋障害等により死亡すると言われている。

 

(4)タイヤの原材料は約60%が石油(ナフサ)であり,また,野積み放置による火災発生等が社会問題となっている。

適切

タイヤ

環境への影響

廃タイヤは,廃車によるものとタイヤ交換によるものとで,年間おびただしい数が排出されている。

タイヤの原材料は,約60%が石油(ナフサ)であり,発熱量はC重油と石炭の中間に位置するほど高い燃料価値を有しているが,野積み放置による火災発生等が社会問題となっている。

 

よって答えは2