12
パラレル・シリーズ・ハイブリッド・システムの点検・整備上の注意事項として,不適切なものは次のうちどれか。
|
(1)高電圧系統の点検・整備を行う際に取り外したサービス・プラグは,紛失しないように部品分解皿などに入れておくこと。 |
|
(2)絶縁被覆がない高電圧端子に触れるときは,事前に絶縁手袋を着用し,テスタで電圧が約0Vであることを確認すること。 |
|
(3)高圧回路の点検・整備を行うときは,シャープ・ペンシルやスケールなど,落下して短絡の恐れがある金属製品は身に着けないこと。 |
|
(4)絶縁手袋は使用前に,ひび・割れ・破れ・その他損傷がないことを,息を吹き込んで確認すること。息が漏れる場合は絶対に使用しないこと。 |
解く
|
(1)高電圧系統の点検・整備を行う際に取り外したサービス・プラグは,紛失しないように部品分解皿などに入れておくこと。 |
|
(2)絶縁被覆がない高電圧端子に触れるときは,事前に絶縁手袋を着用し,テスタで電圧が約0Vであることを確認すること。 |
|
(3)高圧回路の点検・整備を行うときは,シャープ・ペンシルやスケールなど,落下して短絡の恐れがある金属製品は身に着けないこと。 |
|
(4)絶縁手袋は使用前に,ひび・割れ・破れ・その他損傷がないことを,息を吹き込んで確認すること。息が漏れる場合は絶対に使用しないこと。 |
よって答えは(1)
点検・整備
ハイブリッド・システム点検・整備時の注意
ハイブリッド・システムは高電圧( 273.6v )回路を有しているため,取り扱いを誤ると感電,漏電などの原因につながるので,専用の修理書の手順に従い正しい作業を行わなければならない。
( 1 ) 高電圧回路の点検,整備上の注意
① 高電圧回路に関わる点検,整備を行うエンジニアには,労働安全衛生法第 59 条並びに労働安全衛生規則第 36 条により特別教育の受講が義務付けられている。
② 高電圧回路のワイヤ・ハーネス,コネクタは,オレンジ色で統一してある。
また, HV バッテリをはじめ高電圧に関わる部品には,「高電圧」のコーション・ラべルが張り付けてある。これらの配線や部品には,不用意に手を触れてはならない。
③高電圧系統の点検,整備を行う場合は,絶縁手袋の着用,並びに,サービス・プラグの取り外しなど,感電防止措置を確実に実施する。
④ 高電圧のコネクタや端子に触れるときには,サービス・プラグを抜いた後,5 分間を経てインバータ内の高電圧コンデンサを放電させてからにすること。
⑤絶縁手袋は使用前に,ひび・割れ・破れ・その他損傷がないことを,息を吹きこんで確認するが,息が漏れる場合は,絶対に使用しないこと。また,漏れない場合にも,息を吹き込んだことにより,手袋の内部が湿潤しているため,少し時間をおいてよく乾燥させてから手袋を使用すること。湿潤した手袋は,絶対に使用してはならない。
⑥作業時はシャープ・ペンシルやスケールなど,落下して短絡の恐れがある金属製品を身に着けてはならない 。
⑦絶縁被覆がない高電圧端子に触れるときは,事前に絶縁手袋を着用し,テスタで電圧が約 0V であることを確認しなければならない。
⑧高電圧のコネクタや端子は,取り外し後,直ちに,絶縁テープで絶縁処置を施す。
⑨高電圧のネジ止め端子は,トルク不足,過大ともに不具合の原因になるため,規定トルクで確実に締め付けなければならない。
⑩高電圧系の作業中は,車両に「高電圧作業中・触るな」の標示を行うなど,他のエンジニアに注意を喚起する必要がある。
⑪高電圧系の作業後,サービス・プラグを接続する前に部品や工具の置き忘れ,高電圧端子の締め付け及びコネクタの接続状態などを再確認する。
( 2 )サービス・プラグ取り扱い上の注意
高電圧系の配線・部品の点検・整備時は,高電圧回路を遮断するために,必ず,サービス・プラグを取り外し,外したプラグは,作業中に他のエンジニアが誤って接続することがないようにポケットに入れて携帯する。
(イ)サービス・プラグ取り外し
① イグニション・キーを抜く。
② 補機バッテリのマイナス端子を外す。(必要に応じて事前にダイアグノーシス・コードを記録しておく)
③絶縁手袋を着用し,サービス・プラグを引き抜く。
④プラグを抜いてから 5 分以後にサービス・プラグのソケット部にガム・テープなどを張って絶縁する。
(口)サービス・プラグ取り付け
サービス・プラグを取り付ける前に,部品や工具の置き忘れ,高電圧端子の締め付け及びコネクタの接続状態を再確認する。
①イグニション・キーを抜き,補機バッテリのマイナス端子を外す。
②絶縁手袋を着用し,サービス・プラグを接続する。
③グリップを,90°倒し,ロックする。
④ 補機バッテリのマイナス端子を接続する。
