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外部診断器(スキャン・ツール)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1) 外部診断器でダイアグノーシス・コードを確認すると,アルファベット,数字及び系統名などが表示されるため,異常箇所の絞り込みが容易になっている。
(2) フリーズ・フレーム・データを確認することで,ダイアグノーシス・コードを記憶した原因の究明が容易になる。
(3) データ・モニタとは,ECUにおけるセンサからの入力値やアクチュエータへの出力値などを複数表示することができ,それらを比較・確認することで迅速な点検・整備ができる。
(4) 作業サポートは,本来の作動条件でなくてもアクチュエータを強制的に駆動することができ,機能点検などが容易に行える。
解く
(1) 外部診断器でダイアグノーシス・コードを確認すると,アルファベット,数字及び系統名などが表示されるため,異常箇所の絞り込みが容易になっている。
適切
1)ECUによる自己診断機能
ECUはセンサ及びアクチュエータなどに不具合が発生した場合、「Ⅱ警報装置」にて述べたウォー二ング・ランプを点灯(不具合箇所によって点灯するウォーニング・ランプは異なる)させ、運転者に異常が発生していることを知らせると同時にダイアグノーシス・コードを記憶する。
ダイアグノーシス・コードの読み出しには、一般的に外部診断器(スキャン・ツール)を使用するが、ウォーニング・ランプの点滅を利用して点検できるものもある。
J-OBDⅡに対応した車両は、外部診断器(スキャン・ツール)を接続するOBDⅡ点検コネクタや通信規格、ダイアグノーシス・コードなどが標準化されていることから、どのメーカの車両も共通の外部診断器(スキャン・ツール)で必要な情報を読み取ることができるようになっている。異常が発生した車両にて、外部診断器(スキャン・ツール)を用いてダイアグノーシス・コードを確認すると、表示例のようにアルファベット、数字及び系統名などが表示されるため、異常箇所の絞り込みが容易になっている。
<表示例>
C0051 舵角センサ異常
P・・・・エンジンなどのパワー・トレーンに関する異常
C・・・・ABSなどのシャシに関する異常
B・・・・SRSエアバッグなどのボデーに関する異常
U・・・・車両通信などのネットワークに関する異常
(2) フリーズ・フレーム・データを確認することで,ダイアグノーシス・コードを記憶した原因の究明が容易になる。
適切
フリーズ・フレーム・データ
ECUがダイアグノーシス・コードを記憶した時点でのECUが記憶したデータ・モニタ値を表示することができ、ダイアグノーシス・コードを記憶した原因の究明が容易になる。
【手順】
ⅰ)「ダイアグノーシス・コードの点検」の項目を選択する。
ⅱ)画面に表示される操作方法に従い、確認したいフリーズ・フレーム・データが記憶されているダイアグノーシス・コードに該当する表示ボタンを選択し表示させる。
(3) データ・モニタとは,ECUにおけるセンサからの入力値やアクチュエータへの出力値などを複数表示することができ,それらを比較・確認することで迅速な点検・整備ができる。
適切
データ・モニタ
ECUにおけるセンサからの入力値やアクチュエータへの出力値などを複数表示することができ、それらを比較・確認することで迅速な点検・整備ができる。
【手順】
ⅰ)「データ・モニタ」の項目を選択する。
ⅱ)画面に表示される操作方法に従い、確認したいデータを表示させる。
ⅲ)必要に応じてグラフ表示などに切り替えてデータを確認する。
(4) 作業サポートは,本来の作動条件でなくてもアクチュエータを強制的に駆動することができ,機能点検などが容易に行える。 ○
不適切
作業サポート
整備作業の補助やECUの学習値を初期化することなどができ、作業の効率化が図れる。
【手順】
i)「作業サポート」の項目を選択する。
ii)画面に表示される操作方法に従い、実施したい作業(プレーキのエア抜きなど)を選択し実行する。
アクティブ・テスト
外部診断器(スキャン・ツール)からECUに指令を出して、アクチュエータを任意に駆動及び停止ができる機能で、本来の作動条件でなくてもアクチュエータを強制的に駆動することができるため、アクチュェータの機能点検などが容易に行える。
【手順】
ⅰ)「アクテイブ・テスト」の項目を選択する。
ⅱ)画面に表示される操作方法に従い、駆動させたいアクチュエータ及びその駆動内容を選択し実行
ⅲ)必要に応じて同時に表示させるデータ・モニタを選択し、駆動時のデータ変化を確認する。
よって答えは(4)