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自動車整備士資格試験を解く

令和6年3月実施2級ガソリン問題25:ホイール及びタイヤ

25

ホイール及びタイヤに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。        

 

(1) タイヤの走行音のうちスキール音は,タイヤのトレッド部が路面に対してスリップして局部的に振動を起こすことによって発生する。

(2) マグネシウム・ホイールは,アルミ・ホイールに比べて更に軽量,かつ,寸法安定性に優れているが,耐食性,設計自由度に劣る。

(3) アルミ・ホイールの2ピース構造は,絞り又はプレス加工したインナ・リムとアウタ・リムに,鋳造又は鍛造されたディスクをボルト・ナットで締め付け,更に溶接したものである。

(4) タイヤの偏平率を小さくすると,タイヤの横剛性が高くなり車両の旋回性能が向上する。

 

 

解く

 

(1) タイヤの走行音のうちスキール音は,タイヤのトレッド部が路面に対してスリップして局部的に振動を起こすことによって発生する。

適切

タイヤの走行音の種類

走行音の種類

発生原因と音の様子

パターン・ノイズ

タイヤの溝の中の空気が、路面とタイヤの間で圧縮され、排出されるときに

出る音で、溝が1秒間に通過する数と同じ周波数の音からなる。

スキール音

急発進、急制動、急旋回などのときに発する”キー"という鋭い音で、タイヤ

トレッド部が路面に対してスリップして局部的に振動を起こすことによっ

て発生する。

ロード・ノイズ

荒れた路面などをタイヤが通過するときの振動による音で、路面に特殊な加

工がしてあるときには、パターン・ノイズのような音になる。

 

 

(2) マグネシウム・ホイールは,アルミ・ホイールに比べて更に軽量,かつ,寸法安定性に優れているが,耐食性,設計自由度に劣る。

適切

マグネシウム・ホイール

マグネシウム・ホイールは、アルミ・ホイールに比べて更に軽量、かつ、寸法安定性に優れているため、軽量、高強度を要する用途に限定して用いられているが、耐食性、設計自由度がアルミ・ホイールと比べ劣る。

 

(3) アルミ・ホイールの2ピース構造は,絞り又はプレス加工したインナ・リムとアウタ・リムに,鋳造又は鍛造されたディスクをボルト・ナットで締め付け,更に溶接したものである。

不適切

3ピース構造

3ピース構造は、図のように絞り又はプレス加工したインナ・リムとアウタ・リムに、鋳造又は鍛造されたディスクをボルト・ナットで締め付け、更に溶接したもので、一般にホイールのデザイン性に優れている。

2ピース構造

2ピース構造は、図のように絞り又はプレス加工したリムに鋳造又は鍛造されたディスクを溶接又はボルト・ナットで一体にしたもので、一般に軽量化やディスクのデザイン自由度が高い。

(4) タイヤの偏平率を小さくすると,タイヤの横剛性が高くなり車両の旋回性能が向上する。

適切

タイヤの偏平率

偏平率(%)は、偏平比(断面高さ/断面幅)に100を乗じたもので、これを小さくするとタイヤの横剛性が高くなり、車両の旋回性能及び高速時の操縦性能が向上する。

偏平率を小さくするには、図のようにタイヤとホイールの組み合わせを替えることで行うが、タイヤの外径を変えないようにする必要がある。

なお、偏平率が小さくなるほど、タイヤのたわみ量が少なくなるので乗り心地が悪くなる。

よって答えは3