電子制御式4速ATのリバース・クラッチが固着した場合に発生する不具合現象として,適切なものは次のうちどれか。なお,内部構造は図を参照のこと。
(1)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると3速で発進する。 |
(2)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると内部ロックでエンジンが停止する。 |
(3)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると1速で発進する。 |
(4)エンジンを始動するとAT内部が一体で回転し3速で走り始めるが4速への変速点になると内部ロックにより急ブレーキが掛かる。 |
解く
(1)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると3速で発進する。 |
(2)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると内部ロックでエンジンが停止する。 |
(3)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると1速で発進する。 |
(4)エンジンを始動するとAT内部が一体で回転し3速で走り始めるが4速への変速点になると内部ロックにより急ブレーキが掛かる。 |
Nレンジ
Nレンジ+Rクラッチ固着
後輪(アウトプットシャフト)は地面で固定されているので、インプットシャフトの回転方向には固定されているのと同じ。
動力は2系統から入力
①インプットシャフト→リヤサンギヤ
リヤキャリヤは固定:リヤサンギヤはその場で空転;動力伝達に寄与しない
②インプットシャフト→リバースクラッチ→フロントサンギヤ
フロントインターナルギヤは固定と同じ。
フロントプラネタリピニオンはフロントインターナルギヤを摺動し、フロントプラネタリキャリアはローワンウエイクラッチによる制限はなく回転するが、Rクラッチ以外は解除されているので空転する
①②より車は動かない。
Rレンジ
通常のRレンジの作動
Dレンジ1速
リヤインターナルギヤ固定で
リヤサンギヤ→リヤキャリア(減速)→アウトプットシャフト
に
リバースクラッチ固着でフロントサンギヤを回転
フロントプラネタリキャリア固定でプラネタリピニオンが逆回転するが、リヤのプラネタリキャリアとフロントインターナルギヤがつながっているため、
フロントプラネタリピニオンの回転だけ増速。
つまり一体回転するため、インプットシャフトの回転速度そのままでアウトプットシャフトに伝わる。
つまり、3速である
よって答えは(1)