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平成15年実施1級小型問題:パラレル・シリーズ・ハイブリッド・システムのハイブリッド車に関する記述

パラレル・シリーズ・ハイブリッド・システムのハイブリッド車に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)高電圧系統の点検・整備作業を急いで行う必要があったため,絶縁手袋を着用してサービス・プラグを取り外し,直ちに作業を行った。
(2)停車中にアイドリングの必要がないときにはエンジンを自動停止する機能があるため,点火時期の点検などでエンジンを連続運転する必要がある場合には,システムを整備モードに切り替えて行う。
(3)Nレンジのときには,インバータのパワー・トランジスタをすべてOFFにしてモータを停止させているが,エンジンが回転していればジェネレータによる発電は行われる。
(4)ハイブリッド車は,DC200~500V程度の高電圧システムを有しているが,前照灯や補機類および各ECU(ECUとは,エレクトロニック・コントロール・ユニットのことをいう。以下同じ。)の定格電圧はDC12Vであるため,インバータで高電圧からDC12Vに変換して,補機バッテリの充電を行っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解く

(1)高電圧系統の点検・整備作業を急いで行う必要があったため,絶縁手袋を着用してサービス・プラグを取り外し,直ちに作業を行った。
不適切
サービス・プラグ取り外し
① イグニション・キーを抜く。 
② 補機バッテリのマイナス端子を外す。
(必要に応じて事前にダイアグノーシス・コードを記録しておく) 
③絶縁手袋を着用し,図のようにサービス・プラグを引き抜く。
プラグを抜いてから 5 分以後サービス・プラグのソケット部にガム・テープなどを張って絶縁する。

 

 

(2)停車中にアイドリングの必要がないときにはエンジンを自動停止する機能があるため,点火時期の点検などでエンジンを連続運転する必要がある場合には,システムを整備モードに切り替えて行う。
適切
整備モード
ハイブリッド車は,停車中必要がないときにはエンジンを自動停止する。このため、点火時期の点検などで、停車中でもエンジンを連続運転させる必要がある場合は、システムを整備モードに切り替えて行う。
また、スピードメータ・テスタなどで前輪のみ回転させる場合も、スリップ制御を解除する必要があるため、整備モードに切り替えて行う。

 

(3)Nレンジのときには,インバータのパワー・トランジスタをすべてOFFにしてモータを停止させているが,エンジンが回転していればジェネレータによる発電は行われる。
不適切
シャット・ダウン
前輪とモータは,ギヤとチェーンを介して,常時,機械的につながっている方式のため,駆動力の遮断手段として, N レンジのときはインバータのパワー・トランジスタをすべて OFF にして,モータとジェネレータの作動を強制的に停止させている。これをシャット・ダウンといい,車軸での駆動力はゼロになる。この状態では,エンジンが回転していても,ジェネレータは空回りして発電していないため,バッテリに充電は行われない。

 

(4)ハイブリッド車は,DC200~500V程度の高電圧システムを有しているが,前照灯や補機類および各ECU(ECUとは,エレクトロニック・コントロール・ユニットのことをいう。以下同じ。)の定格電圧はDC12Vであるため,インバータで高電圧からDC12Vに変換して,補機バッテリの充電を行っている。
不適切
コンバータ
ハイブリッド・システムのジェネレータは,定格出力電圧が 273 . 6V であるが,へッドランプ等の補機類及び各 ECU の定格電圧は DC12V である。このため,コンバータ(注参照)で DC273 . 6V から DC12V に変換して,補機バッテリの充電を行っている。
(注)コンバータ( converter )とは,変換機のことで,電力の相数又は周波数を変える装置。通俗には,交流電力を直流電力に,又はその逆に変える装置をいう。

 

よって答えは(2)