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自動車整備士資格試験を解く

平成23年6月実施1級小型問題18:前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATの異常検知

前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATの異常検知に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)油温センサが短絡すると,AT・ECUはライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブをONにするためライン・プレッシャは常時最大となり,4速(オーバドライブ)への変速も禁止する。

(2)シフト・ポジション・センサのセレクト位置信号がAT・ECUへ入力されないときは,直前の信号を入力信号とみなし,走行できるようにしている。

(3)電子制御式ATは,センサ,ECU,アクチュエータのどれかに支障が出ても車が走行できる最低限の条件を備えている。

(4)電子制御式ATは,複数のシフト・ソレノイド・バルブのONOFFの組み合わせにより必要な変速を行う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解く

(1)油温センサが短絡すると,AT・ECUライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブをONにするためライン・プレッシャは常時最大となり,4速(オーバドライブ)への変速も禁止する。

不適切

油温センサ

(a)断線時

断線すると,抵抗は無限大(∞Ω)となり,ECUには,極低温の信号が入力することになる。したがって,極低温時の制御に基づいてライン・プレッシャは常時最大となり,セレクト・ショック,変速ショック共に大きく,4速(オーバドライブ)への変速は禁止となる。

(b)短絡時

短絡の場合は,抵抗がOΩとなるので,断線時とは逆に極高温の信号が入力されることになる。したがって,高温時は特別な制御はしていないので,通常の走行では影響は出ない。ただし,低温時の制御はできなくなる。

 

(2)シフト・ポジション・センサのセレクト位置信号がAT・ECUへ入力されないときは,直前の信号を入力信号とみなし,走行できるようにしている。

適切

 

(3)電子制御式ATは,センサ,ECU,アクチュエータのどれかに支障が出ても車が走行できる最低限の条件を備えている。

適切

フェイルセーフ機能

 ECUは,センサ,ECU,アクチュエータの三つの要素がそろって,正常に働くのである。もし,それらのどれかに支障が出ても,車が走れるように最低の条件は備えている。

 

(4)電子制御式ATは,複数のシフト・ソレノイド・バルブのONOFFの組み合わせにより必要な変速を行う。

適切

変速制御

 変速制御は,走行状態に応じて,図のように各センサからの入力信号に基づき,ECUがそのときの走行状態を認識し,ECU内に記憶された図に示す変速点特性図に従ってシフト・ソレノイド・バルブA,Bへ信号を送り,シフト・バルブA,BをON・OFFさせ油路を切り替えている。

 

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フェイルセーフ項目

内容

車速センサ

車速センサは,車速センサ1と車速センサ2の2系統から入力している。そのどちらか一系統に異常が発生しても,走行が可能である。また,走行中に2系統とも,異常が発生した場合は,D,2レンジでは3速固定,1レンジでは2速固定とし走行できる。

ス口ットル・ポジション・センサ

スロットル・ポジション・センサに異常が発生すると,スロットル・バルブ・スイッチのアイドル接点とフル接点のON・OFFにより表のようにスロットル開度を3段階で検知し,走行できるよう制御している。変速は1一4速(オーバドライブ)まで可能だが,変速点は高くなる。また,アイドリング時以外はライン・プレッシャが最高圧となるので,変速ショックも大きくなる。

 

シフト・ポジション・センサ

シフト・ポジション・センサの出力は,ATの油圧回路がどのレンジを選択しているかを,ECUに知らせる役目であるが,同時に別のレンジ信号が入ったり,信号が欠落したりすると,ECUは,変速信号をどう出してよいか分からなくなるので,そのとき異常を検知すると共に,次の取り決めで変速を行うようにしている。

・複数信号の入力時

複数の信号がECUに入力した場合は,電気的には,D>2>1の優先順の入力信号となり,4速(オーバドライブ)への変速を禁止する。

ECUは表のように制御する。

・無信号時

ECUにセレクト位置信号が入力されない場合,直前の信号を入力信号とみなし,走行できるよう制御する。例えば,2レンジ信号が入力しなかった場合は,Dレンジから2レンジにシフトしたときは,Dレンジ信号を入力とする。また,1レンジから2レンジにシフトしたときは,1レンジ信号を入力信号とする。

実際の変速はマニュアル・バルブとの関係から表のようになる。

シフト・ソレノイド・バルブA,B

走行中にシフト・ソレノイド・バルブA,Bのどちらか一方に異常が発生すると,ECUは,もう一方のソレノイド・バルブの出力を止め,3速状態で走行できるよう制御する。この制御は,Dレンジと2レンジでは3速固定だが,1レンジでは2速固定となる。また,シフト・ソレノイド・バルブA,B両方に異常が発生した場合でも同様である。

ライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブ

ライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・パルブをOFFにするため,ライン・プレッシャは最大に制御される。したがって,1-4速(オーバドライブ)まで変速するが,セレクト・ショック(NからD,NからR)及び変速ショック共に大きくなる。

口ックアップ・ソレノイド・バルブ

ロックアップ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・バルブをOFFにするため,ロックアップを解除(禁止)する。

オーバラン・クラッチ・ソレノイド・バルブ

オーバラン・クラッチ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・バルブをOFFにするため,オーバラン・クラッチを締結して,減速時に,常にエンジン・ブレーキが効くようになる。(ただし,D1、21は除く)なお,Dレンジ4速域になると(オーバドライブ・スイッチON時),ECUは,ライン・プレッシャを高くして,4速(オーバドライブ)にしている。

フェイルセーフ項目以外

内容

油温センサ

(a)断線時

断線すると,抵抗は無限大(∞Ω)となり,ECUには,極低温の信号が入力することになる。したがって,極低温時の制御に基づいてライン・プレッシャは常時最大となり,セレクト・ショック,変速ショック共に大きく,4速(オーバドライブ)への変速は禁止となる。

(b)短絡時

短絡の場合は,抵抗がOΩとなるので,断線時とは逆に極高温の信号が入力されることになる。したがって,高温時は特別な制御はしていないので,通常の走行では影響は出ない。ただし,低温時の制御はできなくなる。