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平成23年6月実施1級小型問題15:コモン・レール式高圧燃料噴射システムの制御

コモン・レール式高圧燃料噴射システムの制御に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。


(1)吸気温補正では,吸入空気温度が高いときは空気密度も高くなるため燃料噴射量を増量する。
(2)パイロット噴射制御は,圧縮行程の早い時期で補助的に噴射されるもので,エンジン回転速度が上昇しても継続して行われる。
(3)コモン・レールの圧力制御では,エンジンの冷却水温と車速をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるようにサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。
(4)アイドル回転速度制御では,アイドリング時にエンジンの負荷や冷却水温に応じて,エンジン回転速度が最適になるように燃料噴射量を調整する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解く
(1)吸気温補正では,吸入空気温度が高いときは空気密度も高くなるため燃料噴射量を増量する。
不適切
各種補正
各センサからの信号により,次の項目について,メイン及びパイロットの燃料噴射量を補正する。
(イ)吸気温補正
吸入空気温度が低いときは,空気密度が高くなるため増量する。
(口)暖機時増量補正
冷却水温が低いときは増量し,冷間時の運転性を向上させている。
(ハ)吸気圧補正
吸気圧力が低いときは,吸入空気量が少ないため減量する。

 

(2)パイロット噴射制御は,圧縮行程の早い時期で補助的に噴射されるもので,エンジン回転速度が上昇しても継続して行われる。
不適切
パイ口ット噴射制御
 補助的な噴射であるパイロット噴射は,図 に示すように圧縮行程の早い段階で噴射される。このとき噴射した燃料は,自己着火しないで燃焼室内に拡散し,空気と混ざった予混合状態にして,冷炎反応状態(燃焼し易い状態)のまま保持される。この状態からピストンが上死点を過ぎ,シリンダ内の温度が下がり始めた所でメイン噴射が行われるため,このとき噴射された燃料もすぐには自己着火せず,拡散して予混合状態となってから,冷炎反応状態のパイロット燃料の作用を受け急速に燃焼する。このような燃料噴射制御を行うことにより,噴射した燃料と空気とを十分混合させてから燃焼させることができるため黒煙が低減できる。また,メインの燃焼の開始を緩やかにすることで,最高燃焼温度が低下することにより N0x の排出も低減できる。ただし,ある程度エンジンの回転速度が上昇するとパイロット噴射を止め,通常の噴射方式に切り替えている。
なお,パイロット及びメインの噴射量は,各々についてエンジンの状態から算出し,各種センサによる補正を加え決定した後,レール圧に応じてインジェクタへの通電時間を制御している。また,メインの噴射時期及びパイロット噴射とメイン噴射の間隔についても同様の方法で決定している。

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(3)コモン・レールの圧力制御では,エンジンの冷却水温と車速をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるようにサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。
不適切
コモン・レール圧力制御
アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように,サプライ・ポンプのサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。コモン・レール内の燃圧は,アイドリング時で約 40 MPa に調整され,基本的にエンジンの負荷や回転速度が高くなる程,目標噴射圧も高くするようになっている。


(4)アイドル回転速度制御では,アイドリング時にエンジンの負荷や冷却水温に応じて,エンジン回転速度が最適になるように燃料噴射量を調整する。
適切
アイドル回転速度制御
アイドリング時にエンジンの負荷や冷却水温に応じて,エンジン回転速度が最適になるように燃料噴射量を調整する。