CAN通信に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)CAN通信の「メッセージ」のデータ構成の「識別子フィールド」は,送信前にー定の演算を行った結果(演算値)を表し,信号を表したときに受信したユニットが同じ演算を行い,メッセージ中の演算値と照合して通信が正常に受信したかを判定する。 |
(2)低速CAN通信でデジタル信号を作る場合,ドミナント3Vの電圧差が発生している状態を「1」,レセシブ1.5Vの電圧差が発生している状態を「0」としている。 |
(3)高速CAN通信の場合,ECUによりCAN-H線,CAN-L線に信号が出力されると,この信号電流は,両端の終端抵抗に流れ,終端抵抗による電圧降下により,CAN-H線及びCAN-L線の間には,ドミナント2V,レセシブ0Vの電圧差が発生する。 |
(4)デジタル信号を作るにあたって,信号線と信号アース線間の電圧差を用いる方式のものをディファレンシャル・エンドといい,信号線間の電圧差を用いる方式のものをシングル・エンドという。 |
解く
(1)CAN通信の「メッセージ」のデータ構成の「識別子フィールド」は,送信前にー定の演算を行った結果(演算値)を表し,信号を表したときに受信したユニットが同じ演算を行い,メッセージ中の演算値と照合して通信が正常に受信したかを判定する。 不適切 (1)CAN通信の「メッセージ」のデータ構成の「CRC フレーム」は,送信前にー定の演算を行った結果(演算値)を表し,信号を表したときに受信したユニットが同じ演算を行い,メッセージ中の演算値と照合して通信が正常に受信したかを判定する。
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(2)低速CAN通信でデジタル信号を作る場合,ドミナント3Vの電圧差が発生している状態を「1」,レセシブ1.5Vの電圧差が発生している状態を「0」としている。 不適切
図 は,低速 CAN 通信信号の仕組みを表したもので, ECU により CAN バスの CAN - L 線に信号が出力されると,この信号電流は, CAN - L 線と CAN - H 線に設けられた抵抗により, CAN - L 線及び CAN - H 線の間には,レセシブ1.5V ( 3 . 25V 一 1 . 75V ) ,ドミナント 3V ( 4V 一 1 V )の電圧差が発生する。低速 CAN 通信では,この電圧差(信号電圧= CAN - L - CAN - H )を用いてデジタル信号を作り,ドミナント 3V の電圧差が発生している状態を「 0 」,レセシブ 1.5V の電圧差が発生している状態を「 1 」としている。 |
適切 図 は,高速 CAN 通信信号の仕組みを表したもので, ECU より CAN - H 線に信号が出力されると,この信号電流は,両端の終端抵抗に流れ,終端抵抗による電圧降下により, CAN - H 線及び CAN - L 線の間には,レセシブ OV ( 2.5V-2.5V = OV ) ,ドミナント 2V (3.5V-1.5V = 2V )の電圧差が発生する。 高速 CAN 通信では,この電圧差(信号電圧= CAN-H ― CAN-L )を用いてデジタル信号を作り,電圧差が発生している状態を「 0 」,電圧差が発生していない状態を「 1 」としている。
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(4)デジタル信号を作るにあたって,信号線と信号アース線間の電圧差を用いる方式のものをディファレンシャル・エンドといい,信号線間の電圧差を用いる方式のものをシングル・エンドという。 |
不適切 |
(4)デジタル信号を作るにあたって,信号線と信号アース線間の電圧差を用いる方式のものをシングル・エンドといい,信号線間の電圧差を用いる方式のものをディファレンシャル・エンドという。 |
よって答えは 3
① |
スタート・オブ・フレーム |
メッセージの始まりを示す。 |
② |
識別子フィールド |
複数のメッセージが同時に送信されそうになったときの優先順位を表す。 |
③ |
コントロール・フィールド |
メッセージの信号量を表す。 |
④ |
データ・フィールド |
実際の信号( 0 - 64bit ) |
⑤ |
CRC フレーム |
送信前に一定の演算を行った結果(演算値)を表し,信号を表したときに受信したユニットが同じ演算を行い,メッセージ中の演算値と照合して通信が正常に受信したかを判定する。 |
⑥ |
アック・フィールド |
正常受信信号を表す。「 0(ドミナント) 」が書き込まれて送信され,正常に受信できたときに受信したユニットが「 1(レセシブ) 」を書き込んで返信する。 |
⑦ |
エンド・オブ・フレーム |
メッセージの終わりを表す。( 7bit の「 1 」) |
⑧ |
インタ・フレーム・スペース |
メッセージ間の区切りを表す。( 2 – 11bit の「 1 」) |