SRSエア・バック・システムに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)SRS・ECUにメモリされたダイアグノーシス・コードは,イグニション・スイッチのON-OFF操作により消去することができる。
(2)前面衝突により発生した衝撃力は,車体の構造部材を伝わり,SRS・ECUに入力され,その衝撃力は,SRS・ECU内のGセンサによって電気信号に変換される。
(3)システムの点検には,最少レンジの通電電流値が100mA以下のデジタル・サーキット・テスタを使用する必要があり,誤って通電電流値が100mAを超えるテスタを使用すると,回路の故障又はエア・バッグ暴発の原因となる。
(4)助手席側のサイド・エア・バッグでは.乗員姿勢検知ECUが不作動と判断している場合であっても,衝突時には助手席側のサイド・エア・バッグを作動させることで高い安全性を確保している。
解く
(1)SRS・ECUにメモリされたダイアグノーシス・コードは,イグニション・スイッチのON-OFF操作により消去することができる。
不適切
異常コードのメモリ消去
(イ)手順
①イグニション・スイッチをOFFにする。
②図のようにMES(メモリ・イレース・シグナル)2PカプラにSCSショート・カプラを接続する。
③イグニション・スイッチをONにする。
④SRS警告灯が約6秒間点灯し,図(1)のように消灯する。図(2)のように消灯後4秒以内
こMES2PカプラからSCSショート・カプラを取り外す。
⑤SRS警告灯が再度点灯する。点灯後4秒以内にMES2PカプラにSCSショート・カプラを接続する。
⑥SRS警告灯が消灯する。消灯後4秒以内にMES2PカプラからSCSショート・カプラを取り外す。
⑦SRS警告灯が,図(1)のように2回点滅(フラッシング)し,メモリ消去の完了を知らせる。(2回点滅後再点灯した場合は,メモリ消去の失敗か現在故障がある。)
⑧イグニション・スイッチをOFFにし,2~3秒待って終了となる。
終了後,再度イグニション・スイッチをONにし,約6秒後にSRS警告灯が消灯し,更に30秒以上経過後,SRS警告灯が再点灯しなければメモリは消去され,システムは正常である。
(2)前面衝突により発生した衝撃力は,車体の構造部材を伝わり,SRS・ECUに入力され,その衝撃力は,SRS・ECU内のGセンサによって電気信号に変換される。
適切
衝突により発生した衝撃力は,図のように車体の構造部材を伝わり,SRS・ECUに入力され,その衝撃力は,Gセンサによって電気信号に変換される。電気信号は,フィルタにより,波形整形され高速判定ロジック,中低速判定ロジック及び衝突シピアリティ検出口ジックに入力される。
(3)システムの点検には,最少レンジの通電電流値が100mA以下のデジタル・サーキット・テスタを使用する必要があり,誤って通電電流値が100mAを超えるテスタを使用すると,回路の故障又はエア・バッグ暴発の原因となる。
不適切
エア・バッグ・システムの点検は,最小レンジの通電電流値が10mA以下のデジタル・サーキットテスタを使用すること。通電電流値が10mAを超えるテスタを使用すると,回路の故障又はエア・バッグ暴発の原因となる。
(4)助手席側のサイド・エア・バッグでは.乗員姿勢検知ECUが不作動と判断している場合であっても,衝突時には助手席側のサイド・エア・バッグを作動させることで高い安全性を確保している。
不適切
サイド・エア・バッグ
側面からの衝突により発生した衝撃力は,図のように側面衝突センサとSRS・ECUに各々入力され,Gセンサで電気信号に変換される。変換された電気信号は,フィルタにより波形整形された後,各々の衝突判定回路に入力され,その回路では,基準となるしきい値と比較し,衝突の作動を判定すると作動信号を出力する。このとき,側面衝突センサ内のセーフィング・センサが衝突を判定していると,点火回路に電流が流れてサイド・エア・バッグが作動する。
助手席側においては,シート内部に装備された乗員姿勢検知センサによって乗員の乗車状態を常時検出し,乗員姿勢検知ECUによって衝突時の作動の可否を判断している。その信号は,SRS・ECUの衝突判定回路に送られる。もし,乗員姿勢検知ECUが不作動と判断している場合は,例え,衝突が起こっても作動しない。
よって答えは 2