デジタル式サーキット・テスタ:平成27年3月実施1級小型問題1
デジタル式サーキット・テスタに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)クレスト・ファクタとは,デジタル・テスタがもっている交流波形に対する測定能力を表すもので,交流測定時,交流波形の波高の最大値(P)と実効値(RMS)との比(最大値/実効値)を係数で示しており,三角波の場合は「√3は約1.732」である。
(2)CMRRとは,アースを基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表しており,NMRRとは,測定電圧に別の電圧(ノイズなど)が重畳している場合に,測定電圧に与える影響度を表している。
(3)テスタの直流電圧表示値が40.000Vのとき,直流電圧計の性能表に確度が50Vレンジで「0.03+2」と記載されていた場合の実際の電圧値は,39.986V~40.014Vの範囲になる。
(4)電源電圧が12Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約5.7183Vになる。
解く
デジタル式サーキット・テスタに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)クレスト・ファクタとは,デジタル・テスタがもっている交流波形に対する測定能力を表すもので,交流測定時,交流波形の波高の最大値(P)と実効値(RMS)との比(最大値/実効値)を係数で示しており,三角波の場合は「√3は約1.732」である。
適切
最大値 |
A |
実効値 |
A/√3 |
平均値 |
A/2 |
波形率 |
1.155 |
クレストファクタ (波高率) |
最大値/実効値 =√3 |
(2)CMRRとは,アースを基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表しており,NMRRとは,測定電圧に別の電圧(ノイズなど)が重畳している場合に,測定電圧に与える影響度を表している。
適切
(3)テスタの直流電圧表示値が40.000Vのとき,直流電圧計の性能表に確度が50Vレンジで「0.03+2」と記載されていた場合の実際の電圧値は,39.986V~40.014Vの範囲になる。
適切
40.000×0.0003+0.002=0.014
40.000±0.014=39.986V~40.014V
(4)電源電圧が12Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約5.7183Vになる。
抵抗2MΩと直流電圧系の内部抵抗11MΩの合成抵抗は、
抵抗R1と直流電圧計の内部抵抗が合成された測定電圧は、電源電圧12Vを22/13MΩと抵抗(R2)の2MΩで分圧し、22/13MΩの両端に発生する電圧を表示する。
不適切
よって答えは(4)