自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

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平成23年3月実施1級小型問題35:再現手法

再現性の乏しい不具合に対する故障診断を実施する場合に,外的要因を車両停止状態において加えることで行う「再現手法」に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)車室内に雨漏れがある場合,雨水が配線を伝わってECU内部に入り込むこともあるため,雨漏れの前歴のある車両については,この点に留意する必要がある。

(2)AT車のエンジン・ルームの配線に不具合がある場合に実施する加振法として,D及びRレンジでストール・テストを行う手法がある。

(3)水掛け法により,エンジン・ルーム内の温度や湿度を変えたい場合,エンジン・ルームには直接水を掛けることなく,ラジエータ前面に水を霧状に吹き付けることによって行う。

(4)冷熱法のうちECUを加熱する場合は90℃まで加熱し,また,ECUのふたを開けて直接加熱する必要がある。

 

解く

(1)車室内に雨漏れがある場合,雨水が配線を伝わってECU内部に入り込むこともあるため,雨漏れの前歴のある車両については,この点に留意する必要がある。

適切

 

(2)AT車のエンジン・ルームの配線に不具合がある場合に実施する加振法として,D及びRレンジでストール・テストを行う手法がある。

適切

 

 

(3)水掛け法により,エンジン・ルーム内の温度や湿度を変えたい場合,エンジン・ルームには直接水を掛けることなく,ラジエータ前面に水を霧状に吹き付けることによって行う。

適切

 

 

(4)冷熱法のうちECUを加熱する場合は90℃まで加熱し,また,ECUのふたを開けて直接加熱する必要がある。

不適切

 

よって答えは 4

 

再現手法

故障診断を的確に行うためには,前述のように問診を十分に行い,不具合発生状況と類似した条件,環境を作り出して再現させることが必要不可欠である。

再現性の乏しい不具合の発生要因としては,振動,熱,水(湿度)などが考えられることから,ここではこれら外的要因を車両停止状態において加え,再現させる手段を紹介する。

再現テスト時の留意点

再現テストでは,不具合現象の確認はもちろん行うが,どの部位(部品)が不良なのか判定できなければならない。そのためには,再現テスト開始前に不具合現象に対応する不具合系統を推定し,テスタ類を取り付けておく必要がある。その上で再現テストを行い,現象確認と併せ,推定不具合系統の良否判定を同時に行う。なお,不具合現象に対する推定原因は,3)車載故障診断装置では確認できない故障の項を参照する。

 

A加振法--振動により不具合が発生すると思われる場合

 

[部品,センサ]

推定不具合系統の部品,センサに指で軽く振動を与え不具合の発生がないか点検する。

注意

リレー類は,強い衝撃を与えるとポイントが開くことがある。

 

[配線,コネクタ]

配線を軽く上下,左右にゆすり,不具合の発生がないか点検する。特に

,配線では,コネクタのつけ根,振動の支点,ボデーの貫通部を重点に点検する。

 

[サービス・ヒント]

工ンジン・ルーム内の配線の不具合で,エンジンのトルク反力に傾いたとき不具合が発生する場合がある。このような場合,AT車でD及びRレンジでストール・テストを行うと再現することがある。

B冷熱法--冷間時又は温間時に不具合が発生すると思われる場合

[部品]

ヘア・ドライヤ,冷却剤を用いて,推定不具合の部品を加熱又は冷却し、

不具合の発生がないか点検する。

 

注意

・加熱する場合は,一般的な部品は60℃(手でさわれる程度)(エンジン・

ルーム80℃)以上にしない。

ECUなどのふたを開けて直接電子部品を加熱,冷却しない。

<参考>冷却剤は,電子部品販売店で入手できる。

C水掛け法--雨天又は高湿度時に不具合が発生すると思われる場合

[車両]

車両に水を掛け不具合の発生がないか点検する。

 

注意

・エンジン・ルームには,直接,水を掛けないで,ラジエータ前面に霧吹き状に吹き付け,間接的に温度,湿度を変える。

 

・電子部品に,直接,水を掛けない。

 

〔サービス・ヒント〕

車室内に雨漏れがある場合,雨水が配線を伝わってECU内部に入り込む

こともある。

したがって,雨漏れの前歴がある車両などは,特に注意する必要がある。

 

Dその他--電気負荷大のときに不具合が発生すると思われる場合

(ユーザの使用状況がショート・トリップが多く,充電不足が考えられるとき)

ヒータ・ブロワ,ヘッドランプ,リヤ・ウインド・デフォッガなどの電気負荷をすべてONにし,不具合の発生がないか点検する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題34:Lジェトロニック方式エンジンの不具合点検:O2センサ信号電圧の点検を行った結果

Lジェトロニック方式エンジンの不具合点検で,暖機後無負荷アイドリング状態でO2センサ信号電圧の点検を行った結果,0V付近で一定であった。この場合に考えられる故障原因として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)水温センサの低温側への特性ずれ

(2)フューエル・フィルタの詰まり

(3)プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下

(4)エア・フロー・メータのLow側への特性ずれ

 

 

解く

 

O2センサ信号電圧の点検を行った結果,0V付近で一定=空燃比大きい(薄い)原因を探る。

 

(1)水温センサの低温側への特性ずれ

不適切

空燃比は小さく(濃く)なる。

(2)フューエル・フィルタの詰まり

適切

空燃比大きい(薄い)原因

(3)プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下

適切

空燃比大きい(薄い)原因

(4)エア・フロー・メータのLow側への特性ずれ

適切

空燃比大きい(薄い)原因

実際よりも吸入空気量が少ないという信号が入力されるため。

噴射時間が短くなる

 

 

よって答えは 1

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題33:エンジン制御系統の故障診断

エンジン制御系統の故障診断に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)O2センサ系統の点検で,暖機後の信号出力電圧が約1V一定の場合は空燃比が小さく(濃く)なる要因がないかを点検する。

(2)図1に示すバキューム・センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が0KPaと表示される場合に,バキューム・センサのコネクタAを外したとき表示が0KPaのまま変化しない場合は,信号線とボデー間との短絡が考えられる。

(3)図2に示す水温センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が140℃と表示される場合に,水温センサのコネクタBを外したとき表示が-40℃に変化した場合は,水温センサ内部の短絡が考えられる。

(4)図3に示す吸気温センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が-40℃と表示される場合に,吸気温センサのコネクタCを外したとき,車両ハーネス側コネクタの端子②と端子④間の電圧が5Vの場合は,アース線の断線が考えられる。

 

 

解く

 

(1)O2センサ系統の点検で,暖機後の信号出力電圧が約1V一定の場合は空燃比が小さく(濃く)なる要因がないかを点検する。

適切

(2)図1に示すバキューム・センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が0KPaと表示される場合に,バキューム・センサのコネクタAを外したとき表示が0KPaのまま変化しない場合は,信号線とボデー間との短絡が考えられる。

適切

(3)図2に示す水温センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が140℃と表示される場合に,水温センサのコネクタBを外したとき表示が-40℃に変化した場合は,水温センサ内部の短絡が考えられる。

適切

(4)図3に示す吸気温センサ系統の点検で,外部診断器のエンジンECUデータ値が-40℃と表示される場合に,吸気温センサのコネクタCを外したとき,車両ハーネス側コネクタの端子②と端子④間の電圧が5Vの場合は,アース線の断線が考えられる。

不適切

よって答えは 4

 

 

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題32:スロットル・ポジション・センサ回路の外部診断器を用いた故障診断

図2に示す特性をもつ図1のスロットル・ポジション・センサ回路の外部診断器を用いた故障診断に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)エンジンECUデータが0%の場合,①の箇所での断線が考えられる。

(2)エンジンECUデータが100%の場合,①と②の箇所での線間短絡が考えられるが,①と③の箇所での線間短絡は考えられない。

(3)エンジンECUデータが0%の場合,②の箇所での断線及び短絡(地絡)が考えられる。

(4)エンジンECUデータが100%の場合,③の箇所での断線及び短絡(地絡)が考えられる。

 

解く

(1)エンジンECUデータが0%の場合,①の箇所での断線が考えられる。

適切

(2)エンジンECUデータが100%の場合,①と②の箇所での線間短絡が考えられるが,①と③の箇所での線間短絡は考えられない。

適切

(3)エンジンECUデータが0%の場合,②の箇所での断線及び短絡(地絡)が考えられる。

適切

(4)エンジンECUデータが100%の場合,③の箇所での断線及び短絡(地絡)が考えられる。

不適切

よって答えは 4

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題31:エンジン警告灯は点灯していない(ダイアグノーシス・コードは正常コードを表示)が,エンジンが始動しない。

「エンジン警告灯は点灯していない(ダイアグノーシス・コードは正常コードを表示)が,エンジンが始動しない。」という自動車において,外部診断器を使用してアクティブ・テストを行い,フューエル・ポンプを強制駆動させた。このときの図における各端子の電圧測定結果と燃圧測定結果の表をもとに診断した推定原因として,適切なものは次のうちどれか。

(1)エンジンECUの不良

(2)フューエル・ラインの不良

(3)端子⑧から端子⑩間の配線とボデーとの短絡

(4)端子⑧から端子⑩間の配線の断線

 

解く

(1)エンジンECUの不良

不適切

内部断線ならば、端子⑧とボデー間の電圧は12Vのはずである。

内部地絡ならば、フューエルポンプは作動し、燃圧が発生している。

(2)フューエル・ラインの不良

適切

回路は、フューエルポンプが作動している。

 

(3)端子⑧から端子⑩間の配線とボデーとの短絡

不適切

フューエルポンプが作動している。

(4)端子⑧から端子⑩間の配線の断線

不適切

 

端子⑧とボデー間の電圧は12Vのはずである。

 

 

よって答えは 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題30:サスペンションの振動・騒音等に関する記述

サスペンションの振動・騒音等に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)オフセット・コイル・スプリングは,コイル・スプリングの中心軸をショック・アブソーバの中心軸より傾け,ショック・アブソーバ内のピストンやロッドに加わる横力を低減することで,摺動抵抗の低減や乗り心地の向上を図っている。

(2)インタリング付きブシュは,軸直角方向に柔らかく,軸方向とねじり方向に硬いばね定数として,乗り心地と走行安定性の両立を図っている。

(3)ショック・アブソーバの減衰力は,アブソーバ・オイルが通る狭い通路(バルブ,オリフィス)の形状(通路面積,バルブ・スプリングの強さ)とピストンの作動速度にほぼ比例する。

(4)スプリングのばね定数とは,ばねのたわみ量に対する荷重の増加率をいい,サスペンションには,ばね定数がばねのたわみ量によって変化する非線形スプリングが用いられることが多い。

 

解く

 

(1)オフセット・コイル・スプリングは,コイル・スプリングの中心軸をショック・アブソーバの中心軸より傾け,ショック・アブソーバ内のピストンやロッドに加わる横力を低減することで,摺動抵抗の低減や乗り心地の向上を図っている。

適切

また,図のようにコイル・スプリングの中心軸を,ショック・アブソーバの中心軸より傾け,ショック・アブソーバ内のピストンやロッドに加わる横力を低減し,摺動抵抗の低減,乗り心地の向上を図ったオフセット・コイル・スプリングを用いているものもある。

(2)インタリング付きブシュは,軸直角方向に柔らかく,軸方向とねじり方向に硬いばね定数として,乗り心地と走行安定性の両立を図っている。

不適切

(3)ショック・アブソーバの減衰力は,アブソーバ・オイルが通る狭い通路(バルブ,オリフィス)の形状(通路面積,バルブ・スプリングの強さ)とピストンの作動速度にほぼ比例する。

適切

(4)スプリングのばね定数とは,ばねのたわみ量に対する荷重の増加率をいい,サスペンションには,ばね定数がばねのたわみ量によって変化する非線形スプリングが用いられることが多い。

適切

スプリング

スプリングのばね定数とは,ばねのたわみ量に対する荷重の増加率をいう。自動車のスプリングが柔らかい(ばね定数小)と乗り心地はよいが,走行安定性が悪く,硬い(ばね定数大)と走行安定性はよいが,乗り心

地は悪い。そこで,図のようにばね定数がたわみ量によって変化する非線形スプリングが用いられれることが多い。通常の使用範囲では,ばね定数を柔らかく設定して,乗り心地を優先させ,ある程度の荷重が加わると,ばね定数が高くなり,走行安定性を優先させる。

よって答えは 

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題29:SRSエア・バッグに関する記述

SRSエア・バッグに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

(1)側面衝突などにより,サイド・エア・バッグが作動(展開)した場合は,サイド・エア・バッグ上部取り付け座面の変形の有無に関わらず,シート・バック・フレームを新品と交換する必要がある。

(2)サイド・エア・バッグが作動した場合は,衝突側の側面衝突センサを交換することにより,SRS・ECUを再使用することができる。

(3)側面衝突などにより,衝突センサが取り付けられているサイド・シル(外・内側面)に変形が発生した場合,又は,シートに変形が確認された場合は,SRSフロア・ハーネスを新品と交換する必要がある。

(4)エア・バッグ・システムのメモリ内容は,バッテリ端子を3分以上外すことによって消去できる。

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