問題.入庫した車両を走行テストした結果、下記のような現象が確認できた。
・セレクトショックは正常である。 ・ODスイッチをONにして2レンジからDレンジにセレクトして走り出すと、 ら4速まで変速するが、変速ショックが大きく、変速点も通常より高くなる。 ・ODスイッチをONにしてNレンジからDレンジにセレクトして走り出すと、 ら2速までしか変速しない。 |
まず、自己診断の操作をしたところモードスイッチのパワーインジケーターランプ
が点減を開始しなかった。
2→Dレンジにセレクトした時の変速不良を考え合わせると、
( ㋑ )系統の不具合が考えられる。
また、変速ショックが大きく変速点も通常より高いということから
( ㋺ )系統の不具合も考えられるので、
二箇所に不具合があると思われる。
解く
㋑シフトポジションセンサ
シフト・ポジション・センサ
シフト・ポジション・センサの出力は,ATの油圧回路がどのレンジを選択しているかを,ECUに知らせる役目であるが,同時に別のレンジ信号が入ったり,信号が欠落したりすると,ECUは,変速信号をどう出してよいか分からなくなるので,そのとき異常を検知すると共に,次の取り決めで変速を行うようにしている。
無信号時
ECUにセレクト位置信号が入力されない場合,直前の信号を入力信号とみなし,走行できるよう制御する。例えば,2レンジ信号が入力しなかった場合は,Dレンジから2レンジにシフトしたときは,Dレンジ信号を入力とする。また,1レンジから2レンジにシフトしたときは,1レンジ信号を入力信号とする。
実際の変速はマニュアル・バルブとの関係から表のようになる。
㋺スロットルポジションセンサ
ス口ットル・ポジション・センサ
スロットル・ポジション・センサに異常が発生すると,スロットル・バルブ・スイッチのアイドル接点とフル接点のON・OFFにより表のようにスロットル開度を3段階で検知し,走行できるよう制御している。変速は1一4速(オーバドライブ)まで可能だが,変速点は高くなる。また,アイドリング時以外はライン・プレッシャが最高圧となるので,変速ショックも大きくなる。